吐いたり、多飲多尿になる
放置すれば一命にかかわる「慢性腎不全」
愛犬の飲水量がいつもより増え、おしっこをたくさんし始めたら、愛犬の腎臓に異常が起きているサインかもしれない。腎機能が障害される原因や症状をチェックして、発症を未然に防ごう。 |
【症状】 吐いたり、よく水を飲み、薄いおしっこをたくさんする |
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【原因とメカニズム】 尿路(尿管・膀胱・尿道)や腎臓、さらには心臓などの問題が腎障害を進行させる |
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犬の腎臓が機能障害を起こし始め、慢性腎不全への道をたどる要因は、原因がはっきり分からないこともあるが、ある程度原因が突き止められるものもある。 ●尿路(尿管・膀胱・尿道)に問題がある場合 最も多いのが、腎臓から流れ出る尿の通路、つまり尿路(尿管や膀胱、尿道)に問題が起こって、腎臓に悪影響を及ぼすケースである。例えば、尿管結石、膀胱結石や尿道結石ができると、尿がスムーズに排せつされず、腎臓(の腎盂)内に尿が滞留して内部組織を圧迫すれば、腎機能障害を起こしやすい。また、膀胱炎などの治療が不十分で慢性化すれば、細菌感染が尿管を伝って腎臓に達し「腎盂腎炎」を発症。腎機能が障害されていく場合も少なくない。 あるいは膀胱や尿道、前立腺などに腫瘍が発症(悪性腫瘍が多く、転移しやすい)。腫瘍そのものが次第に大きくなって尿の排せつを妨げ、腎機能が悪化するケースもある。体のどこかにできた悪性腫瘍が尿路周辺のリンパ節に転移した場合も排せつを妨げることがある。 遺伝的な要因で、尿管が膀胱につながらず、直接尿道や腟につながる病気(異所尿管)にかかっているケースもある(ハスキーやゴールデン、プードルなどの犬種に起こりやすい)。この場合、常に尿が漏れている状態から、尿路が細菌感染を起こしやすくなったり、尿管の運動に異常を引き起こしたりして、腎臓に悪影響を及ぼすことがある。 ●腎臓に問題がある場合 腎臓に腫瘍が発症したり、結石(腎結石)ができたり、細菌やウイルスが原因の感染症による腎炎が引き金になったりして腎機能が障害されることもある。若いうちから腎不全が見られる場合は、生まれつき腎臓が形成不全となっていることもある。また、片側の腎臓に若年性腫瘍(腎芽腫)が発生し、手術で摘出したのに、残ったもう一方だけが頑張って働き続けていくうちに腎結石ができあがり、腎機能の障害が進んでいくといった複雑な過程をたどることもあり得る。 ●腎臓の「上流」に問題がある場合 その他、高齢期に心臓疾患になるケースは珍しくないが、心臓が悪くなれば腎臓に必要な血液が十分に送られず、腎機能が低下していくこともある。また、歯周病が悪化し、歯周病菌が血流に乗って心臓などの臓器に悪影響を及ぼす可能性もある。あるいは、熱中症などになって脱水症状を起こせば、腎臓への負担も大きくなる。 |
【治療】 症状に合わせ、早めに適切な食事療法、薬剤療法、補液療法などを行う |
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【予防】 腎臓への負担の少ない食生活や定期検査による早期発見・早期治療 |
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*この記事は、2007年8月20日発行のものです。 | |
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