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動物をめぐる人びと
 
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ブリーダー事始め
ネコ好きは、できることなら、広い家でいろんなネコと一緒に暮らしてみたい、と夢想する。
でも、現実は日々の仕事や雑事に追われて、とても何匹ものネコと暮らせない。
ネコ好きが高じて、ブリーダーとなった岡山県笠岡市の目崎博志さん・由美子さんご夫婦に
ネコとの暮らしについてインタビューしました。

ネコのブリーダー
目崎 博志さん・由美子さん
●ネコ舎<Cattery EYE CAPE>
 岡山県笠岡市大井南80-2
 Tel (0865)63-7469

目崎さんご夫婦と、目の中に入れても痛くないわが子たち。
年ごとにネコが増えて、現在、22匹

 いま、うちにはネコが22匹います。雑種が3匹、チンチラが4匹、ヒマラヤンが3匹、そしてアメリカンショートヘアが12匹です。結婚後、1年か2年に1匹の割合で増えてきました。最初は雑種ばかりで、上はもう14,5歳になります。その後、ヒマラヤンを1匹飼いだし、それがかわいくて、ネコに「はまって」しまって、お婿さんがいる、お嫁さんがいる、とあちこちから連れ帰ってきて、次はアメリカンショートヘア(笑)。
 それで、こんなかわいいネコたちとの暮らしを他の人たちにも楽しんでいただき、動物好きの人を1人でも多く増やそうと、ブリーダーを始めることにしました。でもせっかくお譲りしても、病気がちではネコもかわいそうだし、飼い主さんも大変。ウチから出す子はできるかぎり元気で健康なネコに育てたいので、ついつい食費や医療費、飼育環境づくりに出費がかさんで、大赤字のまま(笑)。この家も、大勢のネコと暮らすために去年の5月、福山から引っ越してきたんです。

ネコの性格は、種類より個体差によるものが大きい。同じ母ネコから生まれても、みんな性格が違う。
ネコの生活と育ち方

 ネコの性格ですか。アメリカンショートヘアは甘え上手でおとなしくて、協調性があって飼いやすいですね。ヒマラヤンはどちらかというと気難しくて、単独が好き。チンチラは昨年の8月に来たばかりの育ち盛りで、とてもやんちゃさん。でも、ネコの種類よりも、それぞれの個性で全然違ってくるみたいです。同じ母親から生まれた子ネコでも、目が開いたときはみんな同じなんですが、60日ぐらいすると、みんな性格が違います。
 しかし、甘えん坊になるのは、だいたい、生まれたときに体が弱くて、私が1日に何回もお乳をやって育てたネコですね。ふだんは、できるだけ母ネコに育てさせようと思っていますので、なるだけ子ネコには触らないようにしています。情が移ると、別れがつらいですし…。とにかく、よく他のネコとケンカしたり、いじめたりする子は、甘えん坊が多いですね。私がちょっと他の子を抱いていると、あとで、その子をいじめたりする。やきもちをやくんです。
 一度そんな関係になると、虫が好かないみたいに、顔を合わすたびにもめます。だから、ふだんは、仲のいい者同士だけケージから出すようにしています(部屋に出すのは、メスネコと子ネコだけですが)。でもなかには、母性愛の強い子がいて、相手がフーフー言っているのに、気にしないで顔をなめてあげる。そうすると、いつの間にか仲良くなったりします。

 

お産のたびに思うこと

 お産のたびに僕が感動するのは、初めて赤ちゃんを産む母ネコでも、誰にも教えてもらわずに、産んで、顔や体をなめて息ができるようにして、自分でへその緒を噛み切って、お乳を飲ませることですね。それに母性愛の強い母ネコは、他のネコが産んだ子でもみんな一緒にかわいがって、お乳をやります。アメリカンショートヘアとヒマラヤンの子を全部とっかえても気にしない。さあ、おいで、おいで、という感じ。「この子なに」というふうな無責任な母ネコがいると、自分がガリガリになるくらい痩せても、よその子の面倒をみたりします。
 つらいのは、子ネコを手放すとき。とくにヒマラヤンのアイちゃんが母性本能が強くて、初めての子ネコを出したあと、ストレスで血尿が出ました。その次からは、子ネコを離すとき、ゴマちゃん人形でごまかして…。3度目のときは、慣れてきて、もう子ネコがいなくなる時期だな、というのが分かってたみたいです。
 いちばんつらいのは、病弱な子ネコが亡くなったときですね。こちらは、命をもって生まれてきたからには、何としても助けたい、と思うじゃないですか。でも、いくら一生懸命に看病しても、亡くなることがあります。母ネコは、もうだめだと思うと、全然世話をしなくなる。僕たちはそんなことできなくて、何度も病院にかけ込んだりするんですが、やはり寿命ってあるんでしょうね。獣医の先生と動物の命について何時間も話することもあります。
 とにかく、たくさんのネコと暮らしていて、楽しいことがいっぱいありますけど、1頭飼いの家みたいに、もっとそれぞれのネコに愛情をかけてやれたらな、と思うことも多いですね。

*この記事は、1996年1月15日発行のものです。

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