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動物をめぐる人びと
 
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見えないものを見る 猫の神秘性に惹かれて
不思議の国“わちふぃーるど”に暮らす風変わりな猫・ダヤンと
仲間たちの物語をつむぐ絵本作家の池田あきこさんのアトリエを訪ね、
楽しい猫談義をお聞きしました。

池田あきこ(いけだ あきこ)さん
東京・吉祥寺生まれ。青山学院女子短期大学卒業後、皮革クラフトの創作を始めて、1983年に東京・自由が丘に直営店を開設。その後、わちふぃーるどを舞台としたダヤンと仲間たちの物語を描きはじめる。著書に『わちふぃーるどブック』『ダヤンのおいしいゆめ』『ダヤンのミステリークッキング』『マジョリーノエルがやってきた』『ダシールエニット博物館』『ヨーヨーの猫つまみ』など多数。今年、はじめての原画展「わちふぃーるどの不思議な世界 ねこのダヤン池田あきこ原画展」を東京・大阪はじめ各地で開催。関西では、8月11日〜24日に大阪なんば高島屋で開催予定。



うちの猫は、夜中、煙草をくわえて歩いてる

 猫の魅力って、なんといっても、見た目の面白さと思いがけなさですね。私の眼から見ると、こんな素敵な動物が家のなかをうろついていてもいいのかな、と思うぐらいきれいです。それもフォルム、形だけじゃなく、なにか動作をするときの流れるような美しさって、猫独特じゃないですか。
 それに気まぐれなところなんか、すごくいい。たとえば、あの子。ランブレッタは竹トンボを取ってくるのが得意で、主人が飛ばすと、パッと飛び、パッとくわえ、大いばりで尻尾を立てて持ってくる。でも人間のいるところまで来ないで、その手前でカチャンと落として、ここでくるっと丸くなって見てる。しかたがないから、人間のほうがそれを取りにいく。実に人間のあしらい方を心得ているっていうか、ね。
 うちは犬が1頭に猫が2匹いて、もう1匹は、ボッコっていう、とても太った猫なんです。この子は変わったクセがあって、夜中に灰皿からシケモクを盗んで、横にくわえて歩いてる(笑)。別に本人に聞いてみたわけじゃないんだけど、細長い白いモノフェチっていうんでしょうか、煙草のほかにもコーヒー用の砂糖パックも盗む。でぶの、タヌキのような猫ですが(笑)。
 ボッコって、こわれものっていう意味で、拾ったときに、ボロボロみたいだったので、ボッコ。竹トンボを取るランブレッタは、イタリアのスクーターの名前です。この子のときは、へその緒がついた子猫を5匹いっぺんに拾ってきて、育てるのがたいへんでした。うちの家族、オートバイが好きで何台もある。その名前を片っ端から付けて、ランブレッタとか、ハーレーとか、カブとか(笑)。

「地球」と異次元の「わちふぃーるど」を
中継ぎする猫のダヤン


 猫のダヤンについてですか。
 実は私、ずっと前から架空の国、異次元の世界を創りたいという想いがあって、高校のとき、ふと、「わちふぃーるど」という言葉が心に浮かんだんです。それから、自分の興味があるもの、面白いものに対して、わちふぃーるどっていう名を付けて…。いちばん最初は、わちふぃーるどという名の変な動物で、それを主人公に2コマ漫画みたいなのを描いて遊んでました。そして大学卒業後、皮革クラフトを始めたときは自分の名前として使いました。その後、皮製品の店のシンボルマークとしてダヤンができたとき、これを架空の国わちふぃーるどへ行かせたらどうかと思いました。
 というのは、猫って、見えないものを見てしまうところがあるでしょ。
 ジーッと水のなかをのぞきこんでいたり、空間の一点を凝視していたりする。当然、猫には猫なりの原因があって、たとえば小さな虫がいるとか、水のなかに動くものがいるだとかいうことなんでしょうけど…。でも、私たちが猫の佇まいを見ていると、見えないものを見ているという感じが、すごくするんです。
 ダヤンって、そのころ飼っていた猫です。その猫の神秘性というか、見えないものを見て、見えない世界を感じることのできる猫を、私たちの「地球」と異次元の「わちふぃーるど」との中継ぎになる役割をはたす動物にしたいという気持ちが強くなったのです。
 だから、ダヤンの魅力の原点は、あの眼。あの眼がすごくよかったから、ダヤンをとりまくいろんな物語、いろんな登場人物がつむぎだされてきたんだと思います。
 今度は、ダヤンと地球とのつながりをやっていこうと思って、いま、長い物語にとりかかっています。楽しみにしてください。
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