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動物をめぐる人びと
 
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「処分」される動物たちの瞳に込められた想いを写して
写真展「どうぶつたちへのレクイエム」を開く 児玉 小枝さん
飼い主に見捨てられて、「処分」される犬や猫たちの運命を直視し、
人々に命の尊さと人間の責任を訴えかける写真展「どうぶつたちへのレクイエム」
を開催する児玉小枝さんにインタビューしました。

児玉小枝(こだま こえだ)さん
1970年、広島県福山市生まれ。大阪成蹊女子短期大学卒業後、広告代理店に勤務。95年退社後、CAPP活動に参加するなかで、動物とお年寄りのふれあいをテーマに写真撮影を始める。阪神大震災後、動物たちとテント生活する女性の元に通い、まとめたフォト・エッセイが雑誌『UNO!』創刊号の女性写真大賞フォト・エッセイ部門準部門賞を受賞。その後、ゴミ袋に入れて捨てられた犬との出会いから、捨て犬・捨て猫の最終処分施設を取材。各地で巡回写真展を開始する。動物と人とのかかわりをライフワークに取材活動を行う。

なんでこの子がこんな目に遭わないといけないの

 私、小さいときから動物にかかわることをしたいな、と思っていたんです。たまたま、大阪の学校を出て何年か勤めた広告代理店をやめたあと、犬や猫と老人ホームを訪ねるCAPP活動に参加して、お年寄りを幸せにする動物たちのことを伝えられないかな、と思って、写真を撮りはじめました。その後、阪神大震災で被災して、十何匹の犬や猫を飼っているために仮設住宅に入れず、1年以上も神戸の公園でテント暮らしをしているおばちゃんの元に通い、動物と暮らしていくことの意味を考えるフォト・エッセイをまとめたりしました。

 そんなおり、「猫と子どもが走り回る編集部」という編集後記にひかれて、タウン誌に就職、また仕事を始めました。その次の春、2年前のことです。編集長の小学生の娘さんが、放課後、線路のわきに「犬(死)」という紙を貼った青いゴミ袋を見つけ、真っ青な顔で編集部に戻ってきました。一緒に行き、ゴミ袋をさわると確かに犬が死んでいる。みんなで自転車の荷台に載せ、淀川の河原まで運んでお墓を造ってあげました。夕方、私ひとりで河原に戻り、土にかえすためにゴミ袋から出してあげると、雑種の白い、大きな犬がかわいい顔をして、赤い首輪をつけて眠ってました。私、そのとき泣けて、泣けて…。「ごめんな」という気持ちで、なんでこの子がこんな目に遭わないといけないの…。ぜったい許せない、なんとか知らせたい、と。

 でも、この子のことって、すごく特殊な例ですよね。問題は、動物の命がゴミ同然の扱いをされていることなんじゃないか。もっと日常的に捨てられている犬や猫がどうなっているのかを知ろう。そこから、何かできることがあるのじゃないか、このままじゃ、その子も浮かばれない、という思いで、捨てられた犬や猫が保健所から移されて処分される施設に行ってみよう、と。

まだ人間を信じている
目が哀しい。
動物たちの不幸な運命を
ひとりでも多くの人に知ってもらいたい


 最終処分施設に行って、所長さんにお話をうかがうと、実際は野良犬はほとんどいなくて、飼い主が飼い犬や飼い猫の引き取りを申し出ることが多い。あとは迷子や捨てられて捕獲されるパターンで、これはやっぱり、人間、飼い主の意識の問題、という確信がわいてきました。それから、処分の方法も安楽死じゃなくて、炭酸ガスによる窒息死。それもショックで、この事実をみんなに知らせなきゃ…。どうしたら人の心に訴えかけることができるかと考えて、理屈じゃなく、人の心を動かすには写真しかない、と。動物って、眼で話をしますよね。処分場に連れてこられて、動物たちはきっと悲しんでいる。あとから考えると、私、その瞳に込められた想いを撮って、みんなに訴えようと思ったのかな。

 最初、部屋に行ったとき、大きな、牢屋のようなところにいっぱい入っているんです。この子なんか(と1枚の写真を指さして)、まだ人間を信じてるというか、私が行くと、手前に出てきて、最初少しうれしそうな顔をして…。この子らがガスで殺されるのかと思うと、正気ではいられない。いつもの自分なら、わんわん泣いて、終わりだったかもしれなかった。確かに最初、涙が出て、しようがなかったんです。でも、待てよ、と。ここに来て、私が泣いて、帰って。それじゃなんにも先に進まない。頭の中、真っ白にしようと思って、夢中で写真を撮りました。

 そのあと、撮った写真をアルバムに入れて、見ては泣き、見ては泣きで、これをどうして知らせばいいかわからないまま、友だちにアルバムを見せていたんです。そうして、たまたま、友だちのつてで喫茶店に写真を置かせてもらって、去年の4月、はじめての写真展を開きました。いままで知られてなかった、動物たちの不幸な運命をひとりでも多くの人に知ってもらえば、いまより前に進むと思ってやってみたら、意外に反響が大きかった。その写真展を観たギャラリーのオーナーさんが、次、うちでやらせてほしい、と、そんな口コミで各地に広がって、今日まで来ました。
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