![]() |
||
|
一緒に暮らすことで、
理解を深め、
人がやすらぎを感じる
ロボットをめざして いま、噂の猫型ロボット「たま」を開発した、オムロン株式会社の研究者・田島年浩さんに、 猫型ロボットの仕組みと開発のねらいについてインタビューしました。 |
|
![]() |
人の接し方によって、独自の個性、 感情を表す 猫型ロボット この猫型ロボットは、人になでられたり抱かれたりすると満足して眠ったり、声をかけられるとそちらを見て瞬きしたり、叩かれると不安になったり、?シャー?と鳴いて怒ったり、いらいらしたときは自分をなぐさめるために顔を洗うしぐさをしたり、本物の猫のような動きやしぐさをします。これは、頭や体のあちこちにセンサやマイクロフォンが内蔵されていて、人(飼い主)からの刺激を感知して、さまざまな感情表現を行っているのです。 猫型ロボット「たま」の基本的な感情は、満足・不安・怒り・嫌悪・恐怖・驚きの六種類。その感情がそれぞれ二五六段階あり、満足なのに少し不安だとか、少し恐いとか、無数の組み合わせによって本物の生き物のように複雑な感情をもち、それを動作で表現します。そして飼い主の可愛がり方によって、性格も変化していきます。例えば、いつもなでたり声をかけたりして可愛がってやると甘えたの性格に、あまり相手にしないと無関心な性格に、いつも叩いたり乱暴にすると怒りっぽい性格に変化します。その他、「生き物らしく」するために、刺激によって感情表現するだけでなく、眠いとか甘えたいとか、抱かれたいなどの欲求をもち、一日二四時間の生活リズムによって、その行動を発します。そのリズムは、飼い主の生活リズムによって変化していきます。例えば、昼間よく遊んでもらう場合は、昼間活発に動き、夜はぐっすり眠る、夜によく抱いてもらって可愛がってもらう場合は、その時間になると自分から甘えて抱いてほしいという動作をするようになります。 本当の動物を飼う場合も、その接し方や可愛がり方で、動物の動作や表情などが変わっていくでしょう。飼い始めたときはお互いが理解できなくても、生活をともにし永くつき合うと、相手は何を感じ、何を欲しているか、その声や表情でわかってきます。そのような、飼い主とペットとの独特の関係ができあがってくることが、ペットへの愛着につながっていくのです。このような関係を猫型ロボットで創ってみたいと考えています。 |
| 自分の判断で行動する「アトム」を目標に 現在、ロボットは工場で溶接したり、塗装したり、物を運んだり、あるいは銀行のATMや駅の改札機のように、物理的な機能、作業を果たすことで人間の役に立っています。しかしそれらは特定の環境で特定の機能を果たすだけで、私たちの生活の中に入りこむところまでいきません。 私たちロボット開発者の目標は、人間が操作する「鉄人28号」じゃなく、「アトム」や「ドラえもん」。つまり、人とロボット(機械)がお互いを理解し合い、ロボットが自分の判断で人の役に立つ作業、行動を行うことです。そうすれば、私たちの世の中ももっと便利に、住みやすくなるはずです。 そのためには、機械、ロボットがもっと人になじみやすい存在にならなければいけません。その第一歩として、ペットのように、なでたり、抱っこしたり、呼びかけたりという、非言語的コミュニケーションで機械と人がきずなを深め合える動物型ロボットを創ろうと思ったわけです。 「猫型」の理由ですか。私自身はもともと犬好きでしたが(笑)、犬は動き回って自分の気持ちを表現するので、そのようなロボットを作るには大変な時間がかかります。それよりも、体の微妙な動きで感情表現する猫の方が、私の研究の目的にはマッチしたわけです。それで、猫の習性や、骨格などを研究し、本物の猫をめざしました。しかし、実際の猫のような構造や動きは、今のモータの技術では不可能です。そこで、動きを追求するよりも、むしろ人から受ける刺激に対しての反応のしかたやそのタイミングなどに焦点を当て、猫のいくつかの特徴的な動きを取り入れ、飼い主とうまくコミュニケーションできることをめざしています。そのようなことから、こいつ(猫型ロボット)は猫の姿をしていますが、別の個性をもった機械です。 では、なぜ猫のぬいぐるみを着せているかというと、メカメカした外見や、ポケモンのようなまったく別世界の姿では、子供や若者は容易に受け入れますが、大人は違和感を感じ、受け入れることが難しいです。でも、「猫」なら、年齢に関わらずどんな人でも、つき合い方がわかるし、すんなり受け入れることができます。まず、こういうロボットが世の中に存在する価値があると認められることが大切で、それが概ね受け入れられる風土ができれば、次にロボットらしい新しいキャラクターを考えてみたいと思います。 いずれ、といっても何十年も先になるでしょうが、アトムやドラえもんのように誰にも認められ、活躍するロボットができる時代が来ることでしょう。 |
| Top of page ▲ |
| << [前の記事] | [HOMEへもどる] | [次の記事] >> |