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動物をめぐる人びと
 
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人と動物をモデルに、ウソと現実を合わせた「ほんとにありそうやな」という世界を描く
人生の哀愁やきらめき、ユーモアにみちた動物イラストを描き続ける、
イラストレーターの佐藤邦雄さんにインタビューしました。

佐藤邦雄さん
1940年、大阪生まれ。大阪ナンバデザイナー学院卒業。1976年、イラストレーター集団(株)スプーンを設立。そのころより、動物を擬人化したイラストレーションを描きはじめ、広告ポスターや雑誌&書籍表紙はじめ、さまざまな分野で活躍。主な画集に「ぼくの動物美術館」(グラフィック社)、「佐藤邦雄 動物イラストレーション」&「同 パート2」(徳間書店)、「わがままな猫と暮らす方法」(飛鳥新社)、「佐藤邦雄の世界・CD-ROMの作品集」など。



うちのネコ、人をこきつかうけど、
僕の言うことは聞きません


 ウチのネコ、野良ネコの子どもやから、性格がきついですよ。ふつう、お客さんが来て、さわろうとすると、じっとしてるでしょ。でも、ウチのネコは、拒否します。僕でも、近づくと神経がピリピリしてる感じで、背中を恐るおそるさわる程度。奥さんには、なにをどうされてもかまわないんですが、僕には、ガブッとかみつきにくる(笑)。

 とにかく、根性あります。「窓をあけて」とか、人をこきつかうけど、僕の言うことは聞きません。朝、カマボコあげて、「おすわり」って、無理に座らそうとすると、おこり出します。ネコって、言うことを聞きませんね。首輪もないし、好きに生きて、僕がドア開けても、すぐに出ていかない。出たいのなら、すなおに出たらいいところを、背伸びなんかして…。最初、なぜって思ったけど、最近、相手の出方を楽しんでいます。

 あのネコ、息子が雨の日、子ネコを拾ってきて、かわいそうやから飼いはじめたんですが、どちらかというと僕は大きいゴリラのほうが好きです。動物でも、人間でも、大きいほうが鷹揚な気がするんですが、どうでしょうか。



動物の表情や、着せる服のシワの寄り具合など、
すべてにリアリティがないと、面白くないでしょ


 オリジナルイラストの場合、僕は、人のちょっとした言葉やしぐさからヒントを得て、描きたいテーマをまとめていく。そのテーマに合わせて、どんな動物がいいかを考える。たとえば、宮崎淑子さんが木の下で服を脱いで水着になるテレビコマーシャルがすごく印象に残っていて、彼女のふっくらとした、さわやかな色気を表現するのは、ネコをモデルにするといいのかな、と。

 でも、僕のイラストは、ふだんの生活のなかで人と動物を混ぜ合わすというか、ウソと現実をうまく合わせて、ほんとにありそうやな、という世界を描くこと。だから、自分のイメージに合った動物をさがし、人をさがし、服や小物をさがし、ちょうど映画を撮るみたいに、イメージ通りのシチュエーションを再現していきます。
 動物の体型やしぐさ、表情、着せる服のシワの寄り具合など、すべてにリアリティがないと、全部ウソになって、面白くないでしょ。リアリティにはとことんこだわりたいから、水着も、デパートの水着売り場へ入って自分で選び、自分のイメージに近い女の人にお願いして、モデルになってもらいます。ふつうなら、恥ずかしくて水着売り場へ行けないけど、「これは仕事や」と自分に言い聞かせると、なんでもできる(笑)。少しでもいい資料を得たいし、いい仕事をしたいから。

 とにかく、動物園にはよく行きます。クマの立ち姿を描きたいときは、オリの前でカメラを持って何時間もクマが立ちあがるのを待つ。ゴリラは一頭ごとに顔つきも表情もちがうし、毛の生え方もちがうから、イメージに合ったゴリラを見るため、神戸の王子動物園へ通って、自分の描きたい姿や表情をみせるのをじっと待つ。また、水中を歩くカバを描きたいとき、天王寺動物園では以前、水槽の中が見れなかったから、飼育係の人に頼んで、プールの水を入れ替えるときに出かけたこともあります。
 冬なんか、カバもかわいそうですよ。冷たいから水の中に入らず、吹きさらしのコンクリートの床の上で、涙ながして、じっと寒さに耐えている。カバの目の下に、涙のあとが白い線になって残り、ほんとに気の毒です。チンパンジーなんかも、人間に近いから、毛がぬけていたら、なおさら、かわいそうになって…。この二十数年、天王寺動物園へは何回通ったか、わかりません。いま、園から無料パスをいただいているのですが、なるべく、そっと観察したいし、お客さんの数も少なくて申し訳ないので、毎回、入場料払って、見せてもらってます。

*この記事は、2000年5月15日発行のものです。


◆ INFORMATION ◆
ここに行けばいつでも「クニオワールド」に出会える、ファン必見の美術館。
大阪に出かける機会があればぜひどうぞ。

●所在地 〒540-0035大阪市中央区釣鐘町2-3-17ベルハウス(株式会社スプーン内)
●電話 06-6943-1166
●URL  http://www.spoon.co.jp/
●開館時間 11:00am〜6:00pm
●休館日 日曜・祝日定休・年末年始12月26日〜1月6日
      ※なお展示変えのための臨時休館あり
●入館料 無料
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