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人と動物をモデルに、ウソと現実を合わせた「ほんとにありそうやな」という世界を描く 人生の哀愁やきらめき、ユーモアにみちた動物イラストを描き続ける、 イラストレーターの佐藤邦雄さんにインタビューしました。 |
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うちのネコ、人をこきつかうけど、 僕の言うことは聞きません ウチのネコ、野良ネコの子どもやから、性格がきついですよ。ふつう、お客さんが来て、さわろうとすると、じっとしてるでしょ。でも、ウチのネコは、拒否します。僕でも、近づくと神経がピリピリしてる感じで、背中を恐るおそるさわる程度。奥さんには、なにをどうされてもかまわないんですが、僕には、ガブッとかみつきにくる(笑)。 とにかく、根性あります。「窓をあけて」とか、人をこきつかうけど、僕の言うことは聞きません。朝、カマボコあげて、「おすわり」って、無理に座らそうとすると、おこり出します。ネコって、言うことを聞きませんね。首輪もないし、好きに生きて、僕がドア開けても、すぐに出ていかない。出たいのなら、すなおに出たらいいところを、背伸びなんかして…。最初、なぜって思ったけど、最近、相手の出方を楽しんでいます。 あのネコ、息子が雨の日、子ネコを拾ってきて、かわいそうやから飼いはじめたんですが、どちらかというと僕は大きいゴリラのほうが好きです。動物でも、人間でも、大きいほうが鷹揚な気がするんですが、どうでしょうか。 |
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動物の表情や、着せる服のシワの寄り具合など、 すべてにリアリティがないと、面白くないでしょ オリジナルイラストの場合、僕は、人のちょっとした言葉やしぐさからヒントを得て、描きたいテーマをまとめていく。そのテーマに合わせて、どんな動物がいいかを考える。たとえば、宮崎淑子さんが木の下で服を脱いで水着になるテレビコマーシャルがすごく印象に残っていて、彼女のふっくらとした、さわやかな色気を表現するのは、ネコをモデルにするといいのかな、と。 でも、僕のイラストは、ふだんの生活のなかで人と動物を混ぜ合わすというか、ウソと現実をうまく合わせて、ほんとにありそうやな、という世界を描くこと。だから、自分のイメージに合った動物をさがし、人をさがし、服や小物をさがし、ちょうど映画を撮るみたいに、イメージ通りのシチュエーションを再現していきます。 動物の体型やしぐさ、表情、着せる服のシワの寄り具合など、すべてにリアリティがないと、全部ウソになって、面白くないでしょ。リアリティにはとことんこだわりたいから、水着も、デパートの水着売り場へ入って自分で選び、自分のイメージに近い女の人にお願いして、モデルになってもらいます。ふつうなら、恥ずかしくて水着売り場へ行けないけど、「これは仕事や」と自分に言い聞かせると、なんでもできる(笑)。少しでもいい資料を得たいし、いい仕事をしたいから。 とにかく、動物園にはよく行きます。クマの立ち姿を描きたいときは、オリの前でカメラを持って何時間もクマが立ちあがるのを待つ。ゴリラは一頭ごとに顔つきも表情もちがうし、毛の生え方もちがうから、イメージに合ったゴリラを見るため、神戸の王子動物園へ通って、自分の描きたい姿や表情をみせるのをじっと待つ。また、水中を歩くカバを描きたいとき、天王寺動物園では以前、水槽の中が見れなかったから、飼育係の人に頼んで、プールの水を入れ替えるときに出かけたこともあります。 冬なんか、カバもかわいそうですよ。冷たいから水の中に入らず、吹きさらしのコンクリートの床の上で、涙ながして、じっと寒さに耐えている。カバの目の下に、涙のあとが白い線になって残り、ほんとに気の毒です。チンパンジーなんかも、人間に近いから、毛がぬけていたら、なおさら、かわいそうになって…。この二十数年、天王寺動物園へは何回通ったか、わかりません。いま、園から無料パスをいただいているのですが、なるべく、そっと観察したいし、お客さんの数も少なくて申し訳ないので、毎回、入場料払って、見せてもらってます。 *この記事は、2000年5月15日発行のものです。 |
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