![]() |
||
|
何匹も犬に出会っても、どの犬も吠えない街がある。 平和な街なんじゃないかな、怪しい人が来ないような。 |
|
![]()
|
前庭のない二階屋の家で、 犬を、一階の屋根の上に 放し飼いしてる家がありました 小学校のとき、狭い道で犬が真ん中で寝そべっていたら、ちょっと嫌だな、と思うぐらいで、飼ったことはなかったですね。僕は下町で育ったので、放し飼いの犬は多かったですね。 あるとき、うちの隣りの家の犬と、思いがけなく離れた場所で出会いました。僕のこと知ってるはずなんだけど、気がつかない。知らない人がいるな、という感じで、あれぇ、と思いながら、どこまで行くのか後を追いかけたことがあります。探偵ごっこみたいな、昔の子どもの遊びですね。その犬は、わが物顔ではなく、淡々と走りまわってる。だいたい行く範囲は決まってるみたいでした。 昔そんなことがあったから、街歩きするとき、そういう犬がいると、後をつけたりしたことがあります。すると、一生懸命逃げる。犬は嫌なんですね、後をつけられるのが。それで隠れたりする(笑)。以前、ストーカーが話題になったとき、犬も嫌なんだろうな、と思ってやめました。でも、放し飼いの犬がいるのは下町的なところが多いですね、人が職住近接で生活しているような…。 おかしいのは、犬を飼うのに、庭がないのでしかたなく、二階屋の家で、一階の屋根の上に放し飼いしてる家があります。生活の知恵…鎖につなぐのはかわいそうだけど、道に放し飼いすると問題がおきたりするので、屋根の上に、みたいなことなんでしょうが、あれは日本でしか見たことないですね。 ところで、犬でも吠えるやつは吠えるけど、吠えない犬がいっぱいいるところもあります。たとえば山形県の鶴岡市…。その街で何匹も犬に出会ってるんだけど、僕の顔を見て、「オッ」とするだけで、吠えない。平和な街なんじゃないですか、あまり怪しい人が来ないような。反対に、吠える犬がいる地域は、そこいら中の犬が吠える。 鶏でもそうです。九州の都城から少し入った田舎の神社に行ったら、近所に鶏を飼ってるらしくて騒いだんです。コケッコーコーって、ね。すると、そのあたりの鶏が一斉に鳴いた。アッ、これは鶏も犬と同じで、地域を守るために団結している、と。もしかしたら、その鶏の親戚だったかも知れないけど(笑)。 その国の言葉を知らなくても、 猫とは、なんとなく 知り合いのような安心感がある よく路上観察っていわれるけど、僕は、行ったことのない場所で、まだ見たことがない物、自分の好きな物、「オッ」と思う物を見つけることに興味があります。それ以前に、行ったことのないところへ行きたい、という思いがあるんだけど。 でも、おもしろい町だと、また出かけます。パリなどへ何度も行くのは、ある期間たつと、町の表情が変わるんです。いつ行ってもちがう。住んでる人も、なんか楽しんでる感じがします。ヨーロッパでは、散歩で連れられている犬はいますけど、放し飼いは見たことがない。その点、猫にはよく出会いますね、とくにイタリアでは、野良猫が多い。 日本の猫とヨーロッパの猫は、どこか顔がちがうような気がしますが、反応は同じです。人慣れしてるやつは、こっちが害を与えないとわかると出てきて、僕が「ニャオ」と言うと、かならず「ニャオ」と答える。そして足元に来て、からだをすり寄せ、臭い付けをして、地面でごろごろと転げまわる。猫は国がちがっても反応が同じで、それがいい。その国の言葉を全然知らなくても、猫とは、なんとなく知り合いのような安心感がある。 それにベルギーやフランスなどでは、ショーウインドーのなかに猫がいることが多いんです。そこなら日向ぼっこができるし、だれにも邪魔されない。もしかして、店の主が意識的に招き猫としてショーウインドーに入れているのかもしれません。猫好きが多くて、猫を見て寄ってきたりするから、それはあるかな、と思います。 でも不思議なことに、ベルギーの隣り、オランダに行くと、そんな猫はいなかった。オランダといえば、最初に行ったとき、街角に犬のウンコがよく落ちてました。まだ日本ではドッグフードなんかあまり食べてないころでしたが、ヨーロッパの犬は食べていて、道を歩いていると、どぎつい色のウンコが…。グリーンだったり、ピンクだったり、真っ黄色のほんとにきれいな色だったり。はじめに食べたのと次に食べたのが色がちがって、すばらしいツートンカラーの配色のやつがあったりする。最初見たとき、食べ物によってずいぶん色がちがうんだな、と思いました。あれも、踏んづける人が気づきやすいというので、やってるのかも知れないな、と(笑)。 でも日本では、地味な色が多い。着てる物だって、向こうの人に比べると、明らかに地味です。もしかしたら、日本人は、あまり毒々しい食べ物は犬によくない、と思うのかもしれませんね。だから自然素材が受ける、とか。 *この記事は、2002年10月20日発行のものです。 |
| Top of page ▲ |
| << [前の記事] | [HOMEへもどる] | [次の記事] >> |