非婚化や少子化、高齢化、都市化などの社会状況の変化で、最近は、これまで全然猫と縁のなかった人たちが猫と暮らし始めるケースが増えています。
すると、猫のことを何も知らなくて、猫がくしゃみをしても、あくびをしても驚く(笑)。猫が食べ物を吐くと、慌てて動物病院へ連れて行く。そんな方にアドバイスをする仕事もしています。アドバイスといっても、実は、その人が自分で「こうすればいいんだ」と気づかないかぎり、役に立ちません。わたしは、ほとんどの時間、その人がどんなことに悩んでいるのかを聞いて、「大丈夫ですよ、猫はそんな生き物なんですから」と言い、その人が「こうしたい」という方向へちょっと背中を押してあげる。それで大抵、うまくいくんです。
猫は、もともと“おとな”なんです。人間は猫が子どもだと誤解して、「自分が守ってあげなくちゃ」と思っていたりするけど、とんでもない。自分のほうがもっと“おとな”にならないといけないんです。
猫って、人の気持ちを察する天才ですから、人のほうが操られちゃう。大切なのは“猫のゲーム”に乗らないこと。例えば、夜鳴きして大変という場合でも、猫のゲームに乗っているかぎり続きます。そこを、ぐっと我慢して無視する。そのうちに、猫のほうが「あ、これはダメだ」ってあきらめます。
猫と人は、フィフティ・フィフティ。「わたしは寝ないと困るの」という確固たる意志を持って暮らせば、猫も人もお互いがもっと解放されて、快適で自由な付き合いができます。
そんな猫との暮らし方を映像でご紹介しようと作ったDVDが『キャットシッターなんりの猫暮らしマニュアル』です。猫の遊ばせ方も、動画で見るとよく分かります。でも、撮影って難しいですね。リハーサルでうまくいっても、本番の時、猫が遊び疲れていたり(笑)。ロケを重ねていくにしたがってうまくなり、猫をピークにもっていく方法が分かってきたころには撮影終了(笑)。でも、出演してくれた猫たち、すごくかわいいから、何度見ても見飽きません。本当に、猫に感謝です。
わたし、生まれた時からずっと猫と暮らしてきて、そして14年間キャットシッティングをしてきた中で、生き方も変わってきました。猫って、今、今、今、じゃないですか。わたしたち、明日、死んじゃうかもしれないから、楽しいことを、今、楽しまなかったら、もったいないですよね。
人生って、“今、一生懸命…”が積み重なったもの。例えば、わたし、子宮がんになり、手術したあとのほうがずっと元気です。その後、離婚して、離婚したあとのほうがもっと元気(笑)。女って猫と一緒でたくましいですね(笑)。肩の荷をどんどん下ろしていくと、楽になるし、自由になるし、視野、生き方が広がっていく感じがすごくします。
*この記事は、2006年2月20日発行のものです。
|