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猫って、今、今、今、じゃないですか。
楽しいことを、今、楽しまなかったら、もったいないですよね。

南里秀子さん(キャットシッター)
1958年、茨城県生まれ。92年、日本初の「キャットシッターなんり」開業。以来、14年間、4万匹の留守番猫を世話する。02年、飼い主亡き後の猫をケアする「猫の森」システムを始動。猫との暮らしにかかわるカウンセラーとしても活躍。著書に『猫と暮らせば』『猫、ただいま留守番中』(駒草出版)など。現在、監修・出演のDVD『キャットシッターなんりの猫暮らしマニュアル』がレンタル&発売中。

南里さんと愛猫「みん」

 非婚化や少子化、高齢化、都市化などの社会状況の変化で、最近は、これまで全然猫と縁のなかった人たちが猫と暮らし始めるケースが増えています。

 すると、猫のことを何も知らなくて、猫がくしゃみをしても、あくびをしても驚く(笑)。猫が食べ物を吐くと、慌てて動物病院へ連れて行く。そんな方にアドバイスをする仕事もしています。アドバイスといっても、実は、その人が自分で「こうすればいいんだ」と気づかないかぎり、役に立ちません。わたしは、ほとんどの時間、その人がどんなことに悩んでいるのかを聞いて、「大丈夫ですよ、猫はそんな生き物なんですから」と言い、その人が「こうしたい」という方向へちょっと背中を押してあげる。それで大抵、うまくいくんです。

 猫は、もともと“おとな”なんです。人間は猫が子どもだと誤解して、「自分が守ってあげなくちゃ」と思っていたりするけど、とんでもない。自分のほうがもっと“おとな”にならないといけないんです。

 猫って、人の気持ちを察する天才ですから、人のほうが操られちゃう。大切なのは“猫のゲーム”に乗らないこと。例えば、夜鳴きして大変という場合でも、猫のゲームに乗っているかぎり続きます。そこを、ぐっと我慢して無視する。そのうちに、猫のほうが「あ、これはダメだ」ってあきらめます。

 猫と人は、フィフティ・フィフティ。「わたしは寝ないと困るの」という確固たる意志を持って暮らせば、猫も人もお互いがもっと解放されて、快適で自由な付き合いができます。

 そんな猫との暮らし方を映像でご紹介しようと作ったDVDが『キャットシッターなんりの猫暮らしマニュアル』です。猫の遊ばせ方も、動画で見るとよく分かります。でも、撮影って難しいですね。リハーサルでうまくいっても、本番の時、猫が遊び疲れていたり(笑)。ロケを重ねていくにしたがってうまくなり、猫をピークにもっていく方法が分かってきたころには撮影終了(笑)。でも、出演してくれた猫たち、すごくかわいいから、何度見ても見飽きません。本当に、猫に感謝です。

 わたし、生まれた時からずっと猫と暮らしてきて、そして14年間キャットシッティングをしてきた中で、生き方も変わってきました。猫って、今、今、今、じゃないですか。わたしたち、明日、死んじゃうかもしれないから、楽しいことを、今、楽しまなかったら、もったいないですよね。

 人生って、“今、一生懸命…”が積み重なったもの。例えば、わたし、子宮がんになり、手術したあとのほうがずっと元気です。その後、離婚して、離婚したあとのほうがもっと元気(笑)。女って猫と一緒でたくましいですね(笑)。肩の荷をどんどん下ろしていくと、楽になるし、自由になるし、視野、生き方が広がっていく感じがすごくします。

*この記事は、2006年2月20日発行のものです。



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