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動物をめぐる人びと
 
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犬と人間が、言語に頼らないコミュニケーションで結ばれ、
心楽しく共存していける社会になれば、いいな。

山田りこさん
(ナチュラル・ドッグ・セラピスト)
大阪市生まれ。カリフォルニア州立サンタモニカ大学(自然科学とフランス語専攻)卒業。日本初のテリントンT・タッチの認定プラクティショナーとなる。現在、テリントンT・タッチやケーナイン・マッサージ、クリッカートレーニング、カーミング・シグナルなどを学べる「Rico’s ケーナイン・マッサージ・スクール」を主宰。
山田りこ 公式HP(http://www.rico-s.com/

愛犬「アイシャ」と。

 小さい時から、犬7頭、猫4匹、それにシマリスやウサギなどの動物に囲まれて育ちました。大学は、アメリカ西海岸にあるカレッジで、自然科学とフランス語を専攻。その後、フランスに渡って、3年間、映画やコマーシャル撮影のコーディネート会社で通訳の仕事をし、日本に戻ってきました。そして、「ノエル」(ボーダー・コリー)と暮らし始め、動物行動学を学ぶうちに、アメリカの友人から「テリントンT・タッチ」のことを聞き、とても興味を持ちました。そこで、アメリカやカナダで開かれているプラクティショナー認定講座に2年半通い、日本で初めて、T・タッチの認定プラクティショナーの資格を取りました。

 テリントンT・タッチは、細胞の機能と活力に刺激を与え、日ごろ使っていない神経回路を活性化させるもの。動物の皮膚に指を軽く当て、円を描くように皮膚だけを動かしていくのですが、特に大切なのは、人間の方がリラックスして、ゆったりと呼吸をしながら、動物への理解と優しさを持ってアプローチしていくことです。

 アメリカの研究所が、T・タッチが馬と人間にどんな効果を及ぼすかを検証したところ、人間が一番いい状態、リラックスしているけれど集中力のある状態の「脳波」を出すことが証明されています。このT・タッチは、欧米では、ホリスティック・ケアのひとつとして多くの獣医師に用いられています。

 わたしは、人間中心の“犬をコントロールする”という考え方ではなく、“犬の目線で物事を考えながら、犬と一緒に暮らしていく”ために、T・タッチが必ず役に立つものとして、みなさんにお伝えしています。

 例えば、ある犬が夜になるとすごくほえ出すということで、相談されたことがあります。これまでは、しつけやトレーニングで“その行動をやめさせる”というのがほとんどでした。T・タッチの手法で、わたしはその犬をよく観察し、体のある部位に、緊張、ストレスがあり、そして、心のバランスがうまく取れていないと思いました。家族の方に、愛犬とのコミュニケーションを深め、優しい気持ちで耳のT・タッチを行うようにアドバイスしました。その結果、心身の“緊張”が解消されていき、夜なきもなくなり、一緒に楽しく暮らせるようになりました。

 「常に自分が接してほしいように動物たちに対して接する」という心を大切に、動物の行動や心理、そして動物の求めているものを理解し、対応することで、お互いのコミュニケーションが深まり、関係をより豊かにしていくことができます。それをみなさんに伝えるのが、わたしのミッションです。

 そんなわたしのミッションに共感する多くの企業や研究機関が中心になって、06年9月、「Team Rico」が結成され、T・タッチやケーナイン・マッサージ、カーミング・シグナルなどを学ぶことのできるE・ラーニングの提供、人に動物の優しさや温もりを伝える商品の開発、ドッグパークやドッグカフェのプロデュースなどが、今、展開されています。

*この記事は、2006年11月20日発行のものです。



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