ペットの飼い主の間で語り継がれている原作者不詳の詩「虹の橋」が、藤田さん作詞作曲による癒やしの歌に/ポニーキャニオン |
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猫は小さいころからいつも家にいました。高校生になって紀州犬の雑種を飼ったら、気が荒くてハチャメチャ。「良」と名付けましたが、あまりに悪く、「悪良」と呼んでいました(笑)。そのうち庭に野良猫が遊びに来て、ある時急に懐いて飼いだしたのがこの子。名前はあるような、ないような。一応「おおねこ」と呼んでいます。16歳ですが、元気です。
何日か留守にすると、この子は「やっと帰ってきてくれた」と喜んでくれる。でも一度すねて、帰宅後しばらく寄りつかなかったことがあります。その後、前より余計に懐き、海外の仕事が増えるたびに、どんどん懐くようになりました(笑)。
実は、飼って5年目ぐらいから、寿命が10年とすれば、あと何年…と思うと、もう「時」を止めたい気持ちになってきました。自分の時間はいいのだけれど、この子と一緒にいる時間を何とか止められないか、と。16年も生きていると、だんだん別れの時が近づいてくるので、毎日、「今日も元気でありがとね」と頭をなでながら語りかけています。
人も動物も、多少順番が違うだけで、最後は皆死ぬわけですよね。それなら、「虹の橋」やクラプトンの「Tears in Heaven」のように、死に対する考え方をちょっと変えて、「天国へ行けば、また会えるんだ」と思えれば、もっと自由な気持ちになって、絶望しないで生きていけるはずです。
「虹の橋」は、最初、英語で歌っていたのですが、たまにライブで日本語で歌うと、すごく反応がありました。日本語の詩だと直接詩が胸に入ってくる、という方が多く、今年5月、日本語版CDを出しました。
愛する犬や猫を亡くされた方は、「虹の橋」を聴くと泣き方が違いますね。お話を聞くと、周りにあまり理解がなく、「動物が死んだだけでなぜそんなに落ち込むの」と思われて、悲しみをすごく我慢している方が多い。それでこの歌を聴いた時、抑えていた悲しみが一気に爆発する。そんな方々に少しでも慰めになってもらえればいいな、と思います。
それにしても、歌ってすごいですね。例えば「愛してる」という言葉も、普通、照れくさくて使わないけれど、歌の中だと自由に歌えるし、言葉がメロディーに乗って、ずんずん心に迫ってくる。わたしが香港やシンガポールでコンサートをした時も、言葉や習慣、文化が違うのに、皆さん、幸せそうに聴いてくださる。ちょうどSARS(サーズ)騒ぎの時、台湾でわたしの「camomile」が「聴く薬」と言われ、とてもヒットしました。その後で向こうに行って、「SARSの時期、すごく不安で家を出られない間、あなたのCDをずっと聴いていて慰められた」と伝えられ、うれしかったです。
わたしの歌を聴いて、ある瞬間、好きな情景を思い浮かべたり、遠い過去に戻ったり、好きな人に会ったりと、いろんな旅をしてもらえたらいいですね。
*この記事は、2007年11月20日発行のものです。
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