ペットのための快適生活情報P-WELL
HOMEへもどる
 
動物をめぐる人びと
 
バックナンバー

ゴンは、テツと余計なケンカはしない、って決めたのかな。
偉い、と思いました。

影山直美さん(イラストレーター)
1963年、埼玉県生まれ。海辺と犬との生活にあこがれ、結婚後、イラストレーターとして独立。湘南で柴犬ゴンと暮らし、日々の出来事を題材に、日本犬雑誌『Shi-Ba』(辰巳出版)に4コマ漫画を連載。06年秋、連載漫画やイラスト、文章をまとめた『柴犬さんのツボ』(辰巳出版)を出版(今年11月、第2弾発刊予定)。他に『柴犬ゴンのへなちょこ日記』(幻冬舎文庫)。
影山直美公式HP 
http://www.geocities.jp/atelierkotori/

愛犬「ゴン」(右)、「テツ」と


『Shi-Ba』で掲載された柴犬の4コマ漫画に書き下ろしを加えた作品集/辰巳出版

 わたし、子どものころから犬が大好きでした。でも父が犬嫌いだったので飼えず、結婚したら犬を飼うのが夢だったんです。

 主人も犬好きで、子どもの時に飼っていたというので、犬の世話なら聞けばいいと思っていたんです。ところが「ゴン」と暮らし始めて、全然当てにならないことが分かって(笑)。しつけの本を何冊も読んで勉強しました。

 犬の絵を描き出したのはゴンが来てからですね。最初は寝ているところばかりスケッチしていたのですが、そのうちにゴンの行動を観察していて、漫画みたいに描けば面白いだろうな、と思ったんです。

 ちょうどわたしの妹が札幌に住んでいて、最初は、今日はこんなことがあった、ゴンがこんなヘマをした…と、落書きみたいなイラスト入りで書き、FAXで送っていました。すると、頭の中が4コマモードになる時がある(笑)。そこで、お付き合いのある出版社やプロダクションの人に、年賀状や暑中見舞いに4コマ漫画を描いて送ったりしていました。

 そんなころ、日本犬雑誌『Shi-Ba(シーバ)』の編集者から「やってみましょうよ」と話があり、4コマ漫画の連載が始まったんです。犬たちと一日一緒にいると、例えば、寝顔のほっぺがかわいいな、と思いながら、じっと見ている。それが、何かの時に“ネタ”になって出てきたりします。そんなふうに描きためた連載をまとめた『柴犬さんのツボ』を去年の秋に出してから、「面白かった」という感想を、メールで送ってくれたり、自分のブログに書き込みしてくれる人が増えて、驚いています。柴犬にはとぼけた感じがあるので、うまく4コマ漫画の世界にはまったのかもしれません。

 一昨年の夏、ゴンが8歳の時に、2頭目の柴犬「テツ」を飼い始めました。犬も2頭になると、色々発見がありますね。ゴンは人懐っこいのですが、犬には厳しいんです(笑)。散歩の時、ゴンが前を歩き、テツがついていく。途中、テツの鼻がちょっと腰辺りに当たろうものなら、ゴンは飛びかかるようにして怒る。でも、それはしつけという感じで、ちょっとかむ程度だったので、犬たちに任せていたら、自然と上下関係ができてきたみたいです。ゴンとしては、これから自分が普通に生活していくために、やらなければいけないことをやっている、ということだったんでしょうね。

 だから、テツは、いつも自由に暴れまわっていますが、ゴンには逆らえない。ただ、食べ物が絡むと本気でケンカします。

 ある時、先に食べ終わったゴンが水を飲もうとしてテツのところに近づいてきました。すると、テツがすごく怒ったので、ゴンは、何かイヤになったみたいな顔をして、遠くの離れたところで、テツが食べ終わるのを見ていたことがあります。ゴンは、余計なケンカはしない、って決めたのかな。偉い、と思いました。

*この記事は、2007年4月20日発行のものです。



  Top of page ▲
<< [前の記事] [HOMEへもどる] [次の記事] >>