犬をかわいがる新常識やマナー、しつけが分かる、愛犬家必読の1冊/講談社+α新書 |
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わたしにとって最初の犬は、中学生の時に両親が飼い始めたミニチュア・ダックスの「ボニー」です。室内飼いだったのですが、ちゃんと健康管理をしてあげられなくて糖尿病や乳がんになり、9歳で亡くなりました。ボニーが危篤の時、それまで子どもが病気になっても帰ってこなかった父が、初めて会社を早退してきました。結局、家族全員がペットロスになり、その後、わたしは「バンズ」と出会うまで犬と暮らしたことがありませんでした。
10年ほど前、知人からアメショーの子猫「チョコ」を引き取り、久しぶりに行ったペットショップでいろんなペットフードが並んでいるのを見て、今の犬や猫は幸せだなと思いました。でも、試しにペット用おやつを食べてみたら、味つけされているのでびっくりしました。実家で飼っていたボニーは母がいつも簡単な手作り食をあげていたので、味つけ不要というのを知っていたからです。そこで、犬の料理の本を出そうと思って見回すと、犬の料理のことを研究している人が誰もいない。それならと自分で研究を始め、2年後にまず、おやつの本を出しました。
そのころペットブームが来て、ドッグカフェが面白いと思い、東京の代官山に“飼い主と愛犬がリラックスして過ごせる”ドッグカフェを開くことにしました。その開店準備で駆け回っていた時、段ボール箱に捨てられていた子犬を拾いました。それがバンズです。でも、お店の看板犬にしようと連れて行くと、バンズはとても憶病でソファの隅に隠れて出てこない。わたし、犬は愛情をかけて育てれば怖がりも治ると思っていたのですが、そうじゃない。大変なストレスを抱えていることを知らされて、自宅でのんびり育てるようにしました。バンズと暮らしていなかったら、真剣に犬と向き合い、犬のことを考えられる人になろうと思わなかったかもしれません。
最初、犬の手料理にちょっと自信がなかったので、“栄養バランス”のいい市販フードをあげていました。でも、バンズはあまりおいしそうに食べません。ふと考えると、以前実家で飼っていたボニーは、見かけは質素だったけれど、わたしたちの食材から母が作っていた。やはり“母の手料理”が一番と気づいてさらに勉強を深め、いろんなメニューを考えて、手作りごはんをあげると、バンズはすごく喜んで食べました。それに怖がりだけど、おいしい食べ物をあげる時は、知らない人からでももらって食べる。バンズには、食べ物→おいしい→おいしいものをくれる人はいい人だ、みたいな図式ができていったんです。
犬にとって「食べる」楽しみってすごく大きいですね。お店のお客様から、「歩きたがらない老犬がDecoさんのお店に行こうと言うと、喜んで来る」と言われると、ドッグカフェを作って良かったなと思います。そんなお客様と愛犬たちのお話をいっぱい参考にし、犬と人の幸せな暮らしを願って書いた本が『犬は自分で生き方を決められない』です。
*この記事は、2008年6月20日発行のものです。
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