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ドッグランとは、リード(引き綱)を外して犬を自由に遊ばせることができる専用運動場のこと。犬の運動不足やストレス解消の施設としてだけでなく、犬同士、飼い主同士、そして人と犬とがつき合い方やマナーを学ぶ交流の場でもある。 発祥の地はニューヨークのマンハッタン。日本でも最近は、リゾート地のペンションに併設されたもの、都心の公園に設置されたもの、郊外に飼い主の有志で立ち上げたもの、多様な付加価値サービスが売り物の民営ランなど、様々な形態のドッグランが登場してきている。 ドッグランってどんな場所? まずは、利用するための準備とマナーを学ぶことから始めよう。 |
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| ※表示価格はすべて税込み(総額表示)価格です。 |
常磐自動車道・谷田部インターチェンジを出て主要地方道取手つくば線を少し南に行くと、里山に囲まれた農地の一角に「つくばドッグラン」がある。 ここは、自分たちのドッグランを作りたいと夢みていた、代表の鶴田さんと奥野さんが、たまたま通りかかった芝畑にほれ込んで土地を借り、手弁当で整備した、文字通り手作りのドッグランだ。「会員」二人だけでオープンしたのが三年前の四月。以来、インターネットのホームページでその存在を知ったつくば市周辺の飼い主たちが入会し、休日には、家族連れとその愛犬が幾組も寄り集まって、人と犬との交流、交歓のひと時を過ごしている。 お気に入りの破れたボールをくわえて、人や犬の間を走り回るシェパードがいる。子どもたちを引き連れ、「電車ごっこ」で歩き回るゴールデンがいる。ハア、ハアと息を切らしてしゃがみこむコーギーがいる。突然、誰かがけったボールを目指して何頭もの犬が駆け出し、その後を小さな子どもが追いかける。大人たちが彼らの動きを目で追いながら、談笑する。まるで家族参加の同窓会にでも紛れ込んだような雰囲気が、フィールド全体に漂っている。 「犬も人もお互いがよく知り合え、小さな子どもがいても安心して遊べるのが、会員制ドッグランの良さ。この子たちの成長をずっと見守れるのがうれしいですね」と、愛犬三頭を連れた鶴田さんは言う。 入会希望者はホームページにアクセスし、Eメールで申し込み、体験入園する。このドッグランが気に入れば、即入会可能だ。規約は、どこのランも同じだが、愛犬が狂犬病やその他のワクチン接種を済ませていること。飼い主の「呼び」「制止」が効くこと。他の犬や人にほえたり、うなったり、かんだりしないこと。「ただし、遠くの方は通うのが大変なので、結局、近くに住んでおられる方がほとんどですね」。会員には、利用時間の制約はない。休日、誘い合ってみんなで遊ぶのも、冬の夜、雪が降りだしたからと、愛犬と駆け回るのも良し。ぼんやりしながら野山の緑や野鳥のさえずりを味わうのも悪くない。 |
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JR立川駅から青梅線で一駅、西立川駅で降りると、花と緑あふれる広大な「国営昭和記念公園」がある。その南東端の「立川口」付近に、昨年五月、開園二十周年事業の一つとしてドッグランが開設された。 ある日曜の昼時、愛犬連れの人々の後からドッグランに向かう。受付の人によれば、その日の午前中の入場者が二百四十五人で、犬は百三十五頭。「きっと今日一日で三百頭以上になるでしょうね」 小型犬エリアには、ミニチュアダックスやパピヨン、マルチーズなどと、子どもから年配の方まで様々な人々が遊んでいる。一般エリアには、ゴールデンやラブラドール、アイリッシュセッター、コーギー、柴犬などが楽しそうに追いかけっこを繰り広げている。一時間余り遊ばせると、広い公園内での散策や食事に出かけ、また戻ってくる。ドッグランのマナー管理を担当するボランティア組織「わんわんスタッフ」の山田浩さんは、「ここは、犬も人もマナーがとてもいいので、わたしたちは見守っているだけです。犬だけでなく、オーナー同士が親しくなり、愛犬談義をしているのを見るとうれしいですね」と日焼けした顔をほころばせる。 公園緑地管理財団・昭和管理センター広報係の小熊崇さんによると、昭和記念公園は、以前からリードを付ければ愛犬を連れて歩くことができたそうだ。しかし、なかには園内で愛犬のリードを外して走らせる人もいて、「それなら、犬が自由に走り回れる空間を作り、園内でのマナーをしっかり守ってもらえば、みんなが安心して楽しめるのでは、というのがドッグラン開設のきっかけです」 ちなみに、ドッグラン開設前、この公園への愛犬連れ入場者は年間約二万人だったが、開設後は二倍以上に増えた。いかにドッグランが待ち望まれていたかが分かる。なお、今年五月にはオープン一周年記念行事として、ドッグスポーツ大会や盲導犬・聴導犬・介助犬のデモンストレーション、相談コーナーや愛犬健康セミナーなどの「ドッグランフェスタ」が開催された。 |
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関越自動車道所沢インターチェンジを出て、国道463号線を西武新宿線・所沢駅方面に行く。そこからバイパスを経由して、南北に伸びる主要地方道川越所沢線を少し北に走り、ヤマト運輸の手前を右に入ると、静かな雑木林の中に「ゆりはなドッグラン」がある。 武蔵野の風情ある面影が漂う、雑木林を開いて作られたフィールドには、木立が幾本も立ち、ここで間引かれたクヌギ材などを原料とするウッドチップが厚く敷きつめられている。その上をゴールデンやコーギーなどに混じって、大きなバーニーズマウンテンドッグがうれしそうに跳びはねている。 ゆりはなドッグランのオーナー・田島英雄さんによれば、ドッグラン開設のきっかけは「最初は、うちの犬を自由に走らせる場を作ろうと思ったから」。しかしだんだん話が大きくなって、どうせやるならと、雑木林の土地・約3,000m2を探して造成。一昨年十二月にオープンした。当初はフィールドに芝生を敷くことを考えていたが、伐採した材木の再利用を思いついてウッドチップにした。水はけはいいし、犬の足に優しく、汚れることもない。おまけに夏でも涼しい。「結果的にウッドチップにして、とても良かったですね」 小型犬用に小規模のフィールドも備えている。入場時、初めての犬同士があいさつし合うこともあって、仲良くなるのも早く、すぐに飼い主たちを交えてボール遊びをしたり、じゃれ合ったり、追いかけ合ったりし始めるという。「初めて来られた方に喜んでいただき、犬が楽しそうに走っているのを見るとうれしいですね」 平日は会員中心で、土・日・祝日にはビジター客と会員が半々ぐらいの割合でやって来る。会員のなかには、愛犬の散歩代わりにほぼ毎日やって来る人もいる。開園時間は朝九時から日没まで。もっとも夜間照明設備もあり、会員なら夜の利用も自由自在。時にはバーニーズやラブラドールなどの犬種グループが貸し切りで交流会を楽しんだり、愛犬クラブがしつけ教室を開くこともある。季節に合わせ、田島さんが呼びかけて、会員の親睦を図るための花見の会や芋煮会を開くこともあるという。 |
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東名高速道路を富士インターチェンジで降りて、西富士道路を北に向かう。やがてうっそうとした樹海からさわやかな朝霧高原へ。「まかいの牧場」を過ぎて数分で、「朝霧フィールド・ドッグズ・ガーデン」に至る。 富士山の見える6,600m2の広々としたメーンドッグランには、チワワやヨークシャー・テリアから、ゴールデンやグレートデンまでが一緒に群れてじゃれ合ったり、ボールを追いかけたり。あるいは飼い主と日陰のベンチで昼寝したり、水浴びしたりと、休日の午後をたっぷりと楽しんでいる。 オーナー夫人で株式会社フィールド・ベル専務取締役の和田君江さんによれば、同施設のオープンは二○○二年秋。最初、愛犬家の和田さん夫妻が自宅の犬たちを自由に遊ばせる所を探して、朝霧高原に適地を見つけた。総面積16,500m2の空間だから、他の犬たちにも「別天地」を開放できればと、ドッグランを企画。すると、遠方の愛犬仲間から、食事ができる施設や泊まれる施設が欲しいという声が出て、それならと、レストラン付きのクラブハウスや十棟のロッジを建てることにした。 「主人と二人で整地して、芝を張って、柵を立てて、ペンキを塗ってと、ほとんど手作りで造ったんです」 オープン後、口コミやインターネットで知った人、通りがかりに立ち寄った人たちが、静岡県内ばかりか、東京・神奈川方面からも続々と集まり、今やメンバーは北海道から九州・沖縄まで。しつけ教室から犬種ごとのガーデン・パーティー、(人の)早食い競争や仮装行列もある運動会、ペット撮影教室などイベントも多彩で、時にはネット仲間の飼い主が列島規模で集まるオフ会もあるなど、交流の輪が広がっている。 「ストレス社会で人間も大変ですから、たまには富士山でも眺めて、愛犬が走っている姿を見ながらのんびりしていただければ…」と、和田さんは話している。 |
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大阪と奈良を結ぶ阪奈国道の府県境近くを通ると、下り車線の脇に建つ「ドッグランフィールドin大阪」のおしゃれなログハウスが人目を引く。そこが受付を兼ねるドッグカフェで、ドッグランはウッドテラスの向こう、木々の茂る山丘に囲まれるように広がっている。 オープンしたのは昨年七月。店長の樋口光平さんによれば、親戚の女性の「近くの公園はどこも犬の散歩禁止。どこか愛犬を自由に走らせる場所があれば」という声に、やはり犬大好きの樋口さんの父親(オーナー)が発奮したのがきっかけとか。 やるからにはどこにも負けないものをと、ちょうどアメリカ留学中だった樋口さんも、ニューヨークのドッグランなどを視察。山すそを造成して、ウッドチップと芝生を敷いたメーンエリアと、ウッドチップだけのマウンテンエリアという、二区域構成のドッグランを開設した。 取材日は平日の昼下がり。ゴールデンを二頭ずつ連れた常連客が二組と、ゴールデンと黒のラブラドールを三頭連れた常連客が相次いで来場。再会を喜び合う犬たちが連れ立って、フィールドいっぱいに駆け回り始めた。 「平日は、思い切り愛犬を走らせたい方や、ホームページの掲示板で仲良くなり、(実際に会って交流する)オフ会を楽しみに集まって来られる方々も少なくありません。土・日には、普段、愛犬が一人(頭)だから、他のワンちゃんとコミュニケーションをとらせたいという方が多いです」 オープンから今年春までの会員登録者数は千六百人以上。施設の告知はインターネットでしか行っていないとのことだが、ネット社会のフットワークの良さか、メンバーは大阪・奈良を中心に東は東京周辺、西は四国・中国まで。広域的なメンバー交流の拠点となっている。 今年四月からはドッグトレーナーも常駐。平日にトレーニング教室を開催することも計画中とか。また、アジリティやフリスビーなどドッグスポーツができる「フィールド2」構想も検討中で、今後の展開が楽しみだ。 |
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大阪から近畿自動車道・阪和自動車道を南下して、海南湯浅道路、湯浅御坊道路と乗り継ぎ、湯浅インターチェンジ下車。そこから東に十分ほど走ると、山田山山麓に開けた「パートナーズハウスゆあさ」に到着。約9,900m2の敷地には、クラブハウスレストラン、大小二つのドッグラン、プール、愛犬用露天風呂、十棟のログコテージなどが散在し、“ドッグリゾート"の趣だ。 メーンドッグランではゴールデンなどの大型犬からミニチュアダックス、パピヨンなどの小型犬まで、様々な種類の犬と飼い主が遊び回っている。サブドッグランから出て来た少女が抱いているのは、なんとフェレットだ。大阪府内で会社を経営するオーナーの横山亨さんによれば、フェレットでもウサギでも大歓迎。事務室にはマネジャーの横山浩平さんのペット、ミニブタの「ビビ」までいる。 同施設の開設は一昨年九月。ペット可のゆったりしたログコテージが評判になり、休日には京阪神のみならず、関東や中部、四国からも宿泊客がやって来る。 「わたし自身、犬好きで大型犬を何頭も飼っているのですが、一緒に泊まる所がなくて苦労しました」と横山オーナー。湯浅町出身の横山さんに、高校の同窓生で湯浅町長の友人から「何か町おこしに役立つ事業を」との相談があり、横山さんが、犬と飼い主が泊まりがけで楽しめるドッグリゾートを提案したのが、開設のきっかけだった。 すぐ近くに町営の二の丸温泉があり、宿泊客はフリーパス。「犬にも温泉を」と、源泉から温泉を運んで犬専用の露天風呂を設置。ドッグランで遊んだ後、ひと風呂浴びて帰宅する犬もいる。「二、三回入って、皮膚病が良くなった子もいます。ほかにも、交通事故で車椅子生活中のワンちゃんがリハビリのために一年ほど露天風呂に通って来て、うれしいことに最近やっと立てるようになりました」。 |
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![]() 中国自動車道を宝塚インターチェンジで降りて、国道176号線を少し西に行くと、宝塚の新名所で、ペットパーク「DOG RUN-DO」のある「宝塚ガーデンフィールズ」に着く。 ここは、旧宝塚ファミリーランドの一角にあたる。昨春、時代の変化で同園がその歴史を閉じた後、その精神を継承し、緑豊かな環境の中で犬たちとゆったり過ごすことのできる「やすらぎ空間」を作ろうと、昨秋、オープンした。 ドッグ・ラン・ドの半分が、世界の犬たちと触れ合える「ドッグパーク」エリア。残り半分が、飼い主と愛犬が自由に遊べる「ドッグラン」エリアで、休日は家族連れ、平日は散歩がてらにやって来る飼い主と愛犬たちでにぎわっている。スタッフの林千亜紀さんは、ユーザー制作のアルバムを広げて、「この子はいつも愉快なブルテリアの姫ちゃん、こっちがミニチュアピンシャーの…」と、平日、ほとんど毎日来園する犬たちのことを楽しそうに語る。 正月には、結婚して今は東京に住む女性が、地元にドッグランができたと聞いて、今年はペットホテルに預けず、一緒に車で帰省し、来場したケースもあった。 運営担当の株式会社阪急アミューズメントサービス宝塚事業部の宇波理恵さんの話では、オープン後六か月余りですでに会員登録犬数が約三千八百頭。地元の宝塚市内や西宮市内などが約七割だが、休日には京阪神、奈良方面など関西各地からもたくさんやって来るという。 エリア内には簡単なアジリティ用具も設置され、愛犬とトンネルくぐりやスラロームなどを楽しむ人もいる。そのため、月二回、アジリティ教室やドッグダンス教室も行われている。ちなみに現在のドッグダンスのテーマ曲は「世界にひとつだけの花」で、今、発表会を目指して特訓中とか。 「このごろ、宝塚大劇場前の“花のみち"を愛犬と散歩される市民の方々も増えてきて、楽しいですよ」と宇波さんは微笑んだ。 |
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| *この記事は、2004年5月20日発行のものです。 |
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