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どうしたら仲良くなれる?!「多頭飼いの問題と対策」


「一匹で留守番をさせるのがかわいそうだから」「里親が他に見つからなくて…」
「一匹飼うのも二匹飼うのも手間は一緒」などなど、
気軽に新入りペットを迎え入れたものの、先住ペットとの仲がうまくいかず、
頭を悩ませている飼い主も多いのではないでしょうか。
多頭飼いは、うまくいけばにぎやかで楽しいペットライフを送れますが、
失敗すれば、ペットにも飼い主にもこれほどつらいことはありません。
そこで、今回は「多頭飼いの問題と対策」について取り上げました。
すでに困っている方、これから「もう一匹」と考えている方、必読です!


犬編

猫編>>
問題点

犬同士の力のバランスが崩れると、
もめごと、ケンカが増える

 複数の犬と暮らすと、一頭飼いでは気づかなかった、犬の魅力的なしぐさや表情にふれることができ、二頭いれば、二倍以上の楽しさ、喜びを味わえます。しかし何か問題が起これば、飼い主とそれぞれの犬との関係が複雑に絡まり、問題解決の苦労が何倍にもなっていきます。
 元からいる犬にもう一頭新たな子犬が加わった場合、まったく知らない環境のうえに、先輩犬がいるので、遠慮しながら暮らし始めます。ところが、年月とともに子犬は成長して、大きく活発になっていきます。一方、先輩犬はだんだん年をとり、やがて力のバランスが崩れ、逆転する時期がやって来ます。例えば、お互いの順位や飼い主の愛情を巡ってのケンカ、フードやオモチャを巡ってのケンカ、あるいは先輩犬の入院など、様々なことがきっかけになります。
 そんななかで意外に多いのが、親子、特に母犬と娘犬とのケンカです。生まれてからずっと甘やかされて育った娘犬は遠慮を知らず、年とともに母犬の方にイライラが募っていき、激しいケンカになりかねません。オス犬同士も相性が悪いとよくケンカをしますが、いったん順位が決まると落ち着きやすいのです。ところが、メス同士のケンカは嫉妬が絡んだりして、お互いが譲らず、関係を修復できないことも少なくありません。犬でも、女同士は怖いですね(笑)。



飼い主の誤った対応
犬同士の対立に火をつける

 普通、飼い主は、先に暮らし始めた愛犬を「上」に置きたがることが多いようです。確かにもう一方が小さい時ならいいのですが、いつの間にか、犬同士の順位が逆転しているのに気づかず、飼い主が以前同様に、先住の、しかし順位の低い方を先に呼んだり、なでたり、フードを与えたりしていると、犬同士がもめる原因になります。
 また、飼い主が二頭を平等にかわいがろうとするのも、同様に問題です。犬同士では、どちらかが“上”なのに飼い主が“平等”に扱えば、必然的に“弱い”方に肩入れしたことになり、犬の間で、改めて順位をはっきりさせようとしてケンカが起こることがあります。
 あるいは、飼い主が犬に対してきちんとリーダーシップを取れない場合にも、犬たちが誰に従えばいいか分からず、混乱することがよくあります。
 犬同士の間では順位が安定して落ち着いているのに、飼い主が犬たちにかかわると、もめごとが起こる場合、普段の接し方を考え直す必要がありそうです。



ほえグセおしっこ問題など、
悪習慣が広まりやすい

 犬は、本来、群れで暮らす動物なので、一軒の家に複数の犬がいると、「群れの論理」が強くなり、飼い主が彼らの行動を制御することが難しくなります。例えば、最初の犬がほえなかったのに、後から来た犬がほえやすければ、それにつられて、ほえやすくなることがあります。特に犬同士がライバル心が強い場合、ほえること自体がストレス発散の手段となりやすい。人間でも、カラオケで歌うと、ちょっと疲労感があって、満足感を覚えるのと同じです(笑)。
 また、一頭だけの時、「マテ」ができたのに、後の犬が「マテ」ができないと、両方とも言うことを聞かなくなってしまう。トイレの習慣がついていたのに、後に来た犬がカーペットにおしっこをすると、そこをトイレと勘違いしておしっこをし始める。一頭ずつではおとなしかったのに、一緒に散歩や運動をさせると、群れの論理で攻撃性が強くなり、ほかの犬や子どもにほえたり、追いかけたりする。そういったこともあります。

  解決策

年齢、性別に関係なく、
“順位の高い”犬を優先する

 多頭飼いの家庭で陥りやすい“間違い”は、順位が逆転したあとも先輩犬を優先したり、弱い方を大事にしたり、あくまで平等にかわいがろうとしたりすることです。
 確かに長年一緒に過ごした高齢犬が遠慮がちに暮らしているのを見るのはつらいです。また、どの子にも平等に接したい、という親心もよく分かります。しかし、飼い主のそのような“優しい”行為は、群れの論理を基本とする犬社会に混乱をもたらすだけです。
 しばらく心を鬼にして、犬たちを呼ぶ時、フードやおやつを与える時、ブラッシングする時、散歩に行く時など、必ず、彼らにはっきりそれと分かるように、現在の順位が“上”の犬を優先させてください。二週間ほどすれば、先輩犬の方も、群れのリーダー(飼い主)が指示する順位を受け入れ、みんなが落ち着いた生活を送れるようになります。



飼い主がしっかりした
“群れ”のリーダーシップを確立する

 複数の犬と暮らす場合、何よりも大切なのは、飼い主が群れのリーダーとして、すべての犬を従わせることです。一頭でも、リーダーの発した「マテ」を無視してフードやおやつを食べ始めたり、「ダメ」と言われてもほえたり、家具をかじったり、人に飛びかかったりすれば、ほかの犬もだんだん自分勝手な行動をとり始め、収拾がつかなくなります。
 もしほえやすい犬がいれば、その犬だけ別室に入れ、最初、わざとほえさせて、制止する、という訓練を行い、それがある程度できるようになった段階で、群れに戻し、今度は全体でほえさせないように訓練します。
 排せつ訓練なども同様で、家にやって来た時、しばらく別室飼いをして、決められた場所でおしっこができるようにしつけてから一緒にさせないと、いつの間にか、みんな好き勝手におしっこするようになりかねません。
 また、散歩の時、リードを引っ張るクセのある犬がいれば、みんな一緒に散歩をするなんて、危なくてとてもできません。それに、先にも述べましたが、群れになると、ほえたり、追いかけたりといった攻撃性も強くなります。その上、年齢差や個体差で必要な運動量も異なるので、犬たちの健康チェックをするためにも、一頭ずつ別々に行う方がいいと思います。



分離不安と多頭飼い

 多頭飼いを始めるきっかけは様々でしょうが、その中で、「うちの犬、ひとりだと留守番ができなくて」というケースもよく聞きます。しかし、こんな場合は要注意です。
 もし、その犬が、飼い主の留守中、退屈しているだけなら、相性がよければ、ちょうどいい遊び仲間ができて、うまくいくでしょう。しかし、「分離不安」気味の犬だった場合は、逆効果になりかねません。いつも飼い主と一緒にいないと落ち着かないほど「愛情」を欲しているのに、その上、飼い主の関心、愛情が分散するライバルが登場すれば、寂しさ、不安感がいっそう募り、在宅中でも、飼い主の愛情を独占しようとして、新入りの犬ともめたり、いじけたりする可能性が高くなります。
 また、犬の場合、猫ほどお互いの「相性」を気づかう必要はありませんが、両方とも気が強かったり、また、大型犬と小型犬など、体格も性格もかなり違っていたりすれば、もめごとが起こった時、偶然、大型犬の牙が小型犬の体に当たって、大ケガをすることもあります。
 日常の世話、しつけ、散歩や運動なども、一頭の時の何倍もの労力と能力が必要になります。事前に家族でよく考え、どのように育てていくべきかを検討することが大切です。


*この記事は、2004年12月20日発行のものです。


●取材協力
[犬編] 高倉はるか さん 帝京科学大学 講師
相川動物医療センター 行動治療科 獣医師
TEL.03-5988-7888 http://www010.upp.so-net.ne.jp/aikawaVMC/

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