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夏を迎える準備はOKですか?「ペットケアのABC」


気温や湿度が上がり、じめじめするこの季節。
どうしてもペット臭や、ペットと人の大敵であるダニ、ノミ、蚊などの害虫が気になり始めます。
そこで、今日から役立つ「ペット臭対策」、「害虫対策」、「ペットの歯磨きトレーニング」をご紹介!
この記事を参考に、夏を元気に快適に乗り切りましょう。


におい対策
ノミ・ダニ・蚊などの害虫対策
歯磨きトレーニング

 蒸し暑くなると活気づき、旺盛な繁殖行動を行うのが「虫」です。
 その中で、人や動物の体に取り付き、血を吸って成育したり、卵を発育させる「吸血性の害虫」が、ノミやダニ、蚊などです。これらの害虫に血を吸われると、かゆく、不快な思いをするだけではありません(ダニの場合はかゆみはない)。
 例えば、ノミの場合、アレルギー反応を起こして皮膚炎になったり、マダニの場合、赤血球を破壊して宿主(もっぱら犬)の命にかかわる病原体「バベシア」に感染したり、蚊の場合、やはり重症になると命にかかわるフィラリア症を引き起こしたりします。フィラリア症は犬に多いですが、猫やフェレットでも感染することがあります。十分に注意して、予防できるものは予防を、早めに駆除できるものは早期発見、早期治療を心がけてください。


・ダニ対策:犬に恐ろしい病原体をうつすマダニの被害を防ぐには

 マダニは、日本の野山ばかりか、庭や公園、道路わきの草むらなど、色々な場所に生える草の葉裏などに潜んでいて、通常、暖かくなると、近くを通る動物に飛びついて、吸血活動を開始します(最近は気温の低い一月、二月にも、犬に取り付いたマダニが発見されている)。
 その時、マダニの体内にバベシアという原虫が寄生していれば、バベシアが犬の血管の中に入り、赤血球に侵入して、赤血球をどんどん破壊しながら増殖。ひどくなれば、極度の貧血でショック状態になり、死に至ります。
 そのうえ、以前はこの感染症に有効な薬剤があったのですが、現在は製造されていません。ですから、現在は、少しでもバベシアの抑制効果がある薬剤を用いるか、感染した犬の体力、免疫力を維持させ、犬が自力で病気に打ち勝つのを期待するしか方法はなくなります。それだけに、マダニの感染をいかに防ぐかが、極めて重要になってきます。

 

散歩後のケアと普段のケア

 

 散歩の時、マダニの多そうな草むらなどに愛犬を連れていかないこと。そうすれば、マダニとの接触の機会を減らせます。しかし、庭や公園、道路わきの草むらにもマダニが潜んでいる可能性が高いため、完全に予防するのは不可能に近いかもしれません。
 そこで、散歩から帰ったあと、家に入る前に、入念にブラッシングして、愛犬の体表にマダニが取り付いていないか十分に確認しましょう。発見したら、速やかに取り除きます。また、普段から、体中をなでたり、マッサージしたりすると、マダニを発見しやすくなります。皮膚に食い付き、血を吸っているマダニを発見した場合、うまく除去しないと、マダニの頭部だけが残り、炎症を起こします。

 

スポット・タイプの殺虫剤を定期投与する

 

 マダニを犬からうまく遠ざける忌避剤はありませんが、効き目の早いスポット・タイプの殺虫剤はあります。
 幸いなことに、マダニは犬の体に取り付いたのち、吸血に適した場所を探して移動し、二十四時間ほど経過しないと吸血しないといわれています。そのため、ダニの活動するシーズン
中、即効性のあるスポット・タイプの殺虫剤を定期投与していれば、万一、そのマダニにバベシアが寄生していても、犬に感染する前にマダニが駆除される可能性が高いといえます。
 もっとも、地球温暖化や生態系の変化、マダニの生活サイクルの変化などの原因によるものなのか、マダニの活動期間がどんどん長くなり、通年化しつつあるようです。かかりつけの動物病院で、地域のマダニの活動状況を尋ねて対応してください。


・ノミ対策:ノミの繁殖活動を止めるために有効な手段は?

 ノミは愛犬、愛猫が外出した時などに体に取り付いて、寄生を始めることが多いようです。
 マダニは吸血活動中しか動物の体に寄生せず、おなか一杯血を吸う(飽血という)と、宿主の体から離れるのに対して、ノミは宿主の体を終のすみかとして、そこで繁殖活動を繰り返します。そのため、家の中は、メスノミが犬や猫の体で産んだ卵が散乱し、ノミの卵や幼虫、さなぎが無数に潜んでいるわけです。ですから、犬や猫のノミ退治と家庭環境の掃除を徹底することが大切です。

 

犬や猫のノミ退治に有効な駆除剤

 

 かつてノミ退治の主役だったノミ取り首輪を使用する犬や猫は少なくなり、首筋の皮膚に垂らすだけでノミやダニを駆除できるスポット・タイプの殺虫剤を定期投与するケースがとても多くなりました。中には卵にも有効なタイプ、さらには、フィラリアや回虫、耳ダニの駆除もできるタイプ(2.5kg未満の小型犬や猫に有効)など、色々なタイプが開発されています。それぞれの家庭の飼育状況や生活の仕方を考えて、適当なタイプを選んでください。
 その他、成ノミには効かないが、ノミの卵の孵化を阻止する発育阻害剤タイプのものもあります。

 

家庭環境からノミを駆除するために

 

 犬や猫の体からノミを一掃するだけでは、ノミの繁殖を止めることはできません。家庭環境の中からいかにノミを一掃するかが、駆除の大きなポイントです。
 そのためには、普段から室内の掃除を入念に行い、ノミの卵、幼虫、さなぎ、幼虫の餌となるノミのふんなどをできるだけ取り除いてください。
 もちろん、散歩後は愛犬をよくブラッシングして、新たなノミの侵入を防ぐこと。愛猫にもブラッシングを欠かさないように。ノミ取りくしで駆除を行うのもいいでしょう。
 また、先に述べた、ノミの発育阻害剤を定期投与すると、家庭環境中にばらまかれたノミの卵を確実に駆除できるので、スポット・タイプの殺虫剤と併用すれば、とても効果的です。


・蚊対策:フィラリア感染を防ぐために

 蚊の駆除には、家庭では蚊取り線香や電気マット方式の駆除器などがよく使用されています。煙を嫌がる犬や猫がいる生活空間では、液状の殺虫剤を放散させる電気マット方式のほうがいいかもしれません。
 もっとも、蚊の話で重要なのは、単なる蚊の駆除ではありません。注意すべきは、蚊が媒介して犬などに感染するフィラリアです。
 現在、特に犬のいる家庭ではその危険性がよく理解され、フィラリア予防薬の定期投与が一般的になり、かつてのような、命にかかわるフィラリア症に苦しむ犬は少なくなりました。もっとも、症例が減ったからといって、予防薬を飲んだり、飲まなかったりしていれば、感染する可能性はあります。
 また、気候の温暖化で、フィラリアに感染する期間が延びていますので、毎年、シーズン中に定期投与してください。
 なお、フィラリアは、症例はずっと少ないのですが、猫やフェレットにも感染します。猫やフェレット、また、小型犬など体の小さい動物の場合、フィラリアの親虫が、わずか一、二匹、心臓に住みついただけで、一命にかかわる事態にならないとも限りません。十分に注意してください。



*この記事は、2005年5月20日発行のものです。


●取材協力
山尾獣医科病院 院長 山尾信吾さん
TEL.0742-48-2501
http://www.yamao.com/

大阪コミュニケーションアート専門学校 ペットトリマー講師 山口美紀さん
TEL.0120-141-807
http://www.oca.ac.jp/

フジタ動物病院 院長 藤田桂一さん
TEL.048-775-3338
http://www.fujita-animal.com/

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