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知っておきたい「ペットの栄養学」


毎日のペットの食事、どのようにされていますか?
食事は健康の基本。正しい「栄養学」の知識を学んで、愛犬・愛猫の健康を守ってあげたいですね。
普段、何気なく与えている“ペットフードの選び方”や、
“手作り食”にチャレンジしたい方へのアドバイスもご紹介。
今日から、愛犬・愛猫の食卓が変わるかな?


     
 

 

 ペットの手作り食といっても、特に猫は食べ物に対する執着が難しく、献立を考えて作っても食べてくれない場合もあります。その点、犬はよほどのことがないかぎり、何でも食べてくれるので、犬の手作り食が中心になります。

■ 手作り食の良さ

 手作り食の良さの一つは、犬種の相違や個体差、体調に合わせた食事を与えられることです。
 例えば、北方出身のハスキー犬は暑い地域で暮らすと、普通のドッグフードだとエネルギー量が高過ぎ、体内に熱がたまり、細胞や内臓に負担がかかるといわれています。そういった場合には、体の余分な熱を取る豚肉を使うなどの工夫をします。また、春先は代謝機能が盛んになり、解毒作用も活発になります。そこで、体内の毒素をできるだけ排せつさせるために、肝臓の機能を高める野菜をいつもより多めに入れてみようとか、微調整ができるわけです。
 なお、わが家では、一日分の食事を朝夕の二回に分け、お昼には、腸内環境を整える目的で、ヨーグルトなどを混ぜたおやつを与えています。


■ 手作り食の注意点

 もっとも、自分がすごく忙しいのに、愛犬の健康にいいからと、無理して手作り食をしてもうまくいきません。手作り食には時間も手間もかかりますし、栄養に関する関心や知識も必要です。飼い主が義務感ばかり募らせて手作りしても、負担が増え、ストレスが高まるだけ。そうなれば、愛犬もストレスを感じ、食欲が減退したり、せっかく食べても栄養にならない可能性もあります。
 また、間違った栄養バランスの食事では、かえって健康を損ねる結果となります。ですから、あまり手作りかどうかにこだわらず、各家庭の暮らし方、生活の仕方の中で、最も適した食事形態をペットに選んであげることが大切です。


■ 成功のポイント

 飼い主自らが栄養について興味、関心を持ち、楽しんで手作りすることが成功の第一歩です。飼い主も愛犬も、手作り食を楽しんで生活に取り入れられることが、健康維持につながるということですね。
 それと同時に、毎日、愛犬をよく観察してください。どうしても、栄養学の知識やデータ、数字などに頼りたくなります。もちろん、基本はそこにありますが、愛犬の体の中で何が起きているか、つまり、今日の食べ物が合っているか、体調はどうか、などを教えてくれるのは、食べたあとの糞便、排尿や、皮膚、毛づやの状態、行動の変化が指標になります。それらをよく観察し、問題点を推測し、微調整してみるとよいでしょう。ただし、問題が長引かないうちに動物病院で診察してもらうことも大切です。
 食事内容が合えば、姿勢や毛づやがよくなった、散歩に行きたがらなかったのに、進んで行くようになったなど、いい効果が徐々に現れてきます。もっとも、そうなると、つい、あれもこれもと、いろんな食材を与え過ぎて健康バランスを崩すこともありますので、ご注意ください。


■ 献立の基本

【肉】

 献立の基本は、ごはんとお肉と野菜で、それをいかに配合するかが重要です。言うまでもなく、タンパク質は体の組織を構成するもので、多過ぎても、少な過ぎてもいけません。
 まず、愛犬に合ったタンパク質源を選びます。例えば、アミノ酸バランスのいい鶏のササミを選ぶとすれば、愛犬の一日に必要なエネルギー量から、必要なタンパク質量を算出します。それに匹敵する「量」の鶏のササミをゆでて、みじん切りにします。少しブワッとした鶏のササミの量を「1」として、それと同量のごはんと、同量のゆでて刻んだ野菜が、大雑把な基本形となります。そこに、必要な総合ビタミン・ミネラルや補助食のおやつを加えます。

【米】

 ごはんとして、わたしは、発芽玄米と白米を混ぜたものを愛犬に与えています。普通の玄米は外殻が固いので、歯で咀嚼せず、飲み込むタイプの犬では消化・吸収がうまくできません。発芽玄米は、発芽する過程で酵素が出て消化されやすい形になっています。とにかく食べ物は、品質のほかにも、消化吸収率が重要です。

【野菜】

 野菜の場合、発酵度が重要です。腸内の酸性環境を維持することで、栄養吸収を速やかに行うことができるからです。そのほか、食物繊維には、腸を刺激して蠕動運動を高めたり、不要・有害な物質を糞便中に排せつする働きがあります。
 ちなみに、発酵度が犬に適しており、かつ入手しやすい野菜はキャベツです。ダイコンなどもいいですね。ニンジンは細胞壁が固いので、消化・吸収されず、そのまま出てくることがほとんどです(与えるならすりおろしで)。また、ニンジンはナトリウム分が多いので、心臓や腎臓が弱い場合は、避けたほうがいいでしょう。


■ 調理のコツ

 ペットの手作り食は、調理というより、下準備した食材どうしを混ぜ合わせるといった感覚です。もちろん、調味料は不要。肉はあくをとって中まで火を通し、野菜は熱湯でさっとゆでて、それぞれ細かく刻みます。
 なお、お肉や野菜三日分ぐらいをめやすに下準備したものを、冷蔵庫や冷凍庫で保存して、必要な分だけ使うようにすれば、手間もそれほどかかりません。


*この記事は、2005年6月20日発行のものです。


●取材協力
日本獣医畜産大学 獣医内科学教室 助教授 左向敏紀さん
http://www.nvau.ac.jp/

NPO法人Knots(ノッツ)事務局長 愛玩動物飼養管理士 勝田千恵美さん
http://www.knots.or.jp/

Pet Clinicアニホス Nutritional Health Consultant/ペット栄養管理士 奈良なぎささん
〒174-0072 東京都板橋区南常盤台1-14-11
Tel: 03-3958-9110
http://www.anihos.com/

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