東京都目黒区、東急東横線学芸大学駅から南に歩いて約10分、目黒通りの裏手に昨春開設されたドッグ・スクールが「ケーナイン・アンリミテッド」だ。オーナーの中川さん夫妻は、人と犬とが楽しみながら、しつけの基礎から応用まで、広々とした清潔な専用スペースでじっくりと学べる“生涯教育”の場を作りたかった、と言う。
シニア・インストラクターの金子真弓さんによれば、しつけの基本は、人と犬との相互コミュニケーション。「愛犬がオスワリやマテなどの“コマンド”を覚えるだけじゃだめ。まず、飼い主が愛犬に、今、ここで、何をすればいいかを伝える術を身につけてほしいですね」。
例えば、散歩で愛犬がリードを引っ張って歩こうとすれば、飼い主は“しからず”、黙って止まり、動かない。愛犬が飼い主の側に戻り、リードがゆるんだらほめ、ごほうびをあげ、前に進む。またリードを引っ張ったら止まり、ゆるんだら、ほめて前進。これを繰り返すうちに、愛犬はリードがゆるめば(飼い主の横を歩けば)、ほめられ、楽しく散歩ができることを学んでいく。「いい行動の最中や直後にほめられ、ごほうびが出ることで、愛犬がその行動を喜んで行うようになる。それが“陽性強化”です」
飼い主が愛犬の“いい行動”をほめる。といっても、実はそのタイミングが難しい。早過ぎたり、遅過ぎたりすれば、犬は間違った行動を“いい”と思い込む。飼い主が犬の思いと動きを見極め、ほめるタイミングをつかむのに最適の方法が「※クリッカー・トレーニング」です、と金子さんは言う。
まずパピー・コースやビギナー・コースでしっかりと基本を身につけ、さらに上級コースに進み、愛犬と楽しみながら、いろんなコミュニケーション技術を高めていく。
クリッカー・トレーニングに取り組む3組の受講生に話を聞いた。
「以前は、散歩の途中、仲のいい犬が来るとすぐ駆け寄っていたのが、このごろは、まずこちらを見て、どうしたらいいのって、わたしに尋ねるようになりました」(愛犬ウィンディと参加の長谷川さん)。
「今まで“ほめる”ことを意識していませんでした。いいタイミングでほめることがこんなにこの子を成長させるのか、と驚いています」(愛犬ごまと参加の木崎さん)。
「以前はあっちへ行ったり、こっちへ行ったりだったのですが、お互いの信頼関係ができてきました。でも、今以上にいい関係を築くには、この子にとって、わたしがもっと魅力的にならないといけないですね」(愛犬シャンティと参加の庄司さん)。
※「クリッカー・トレーニング」
飼い主が「カチッ」と音のする、マッチ箱のような「クリッカー」を持ち、愛犬が飼い主の意図する“いい”行動をした時に、「カチッ」と鳴らしてほめ、ごほうびを与えることを繰り返すうちに、愛犬が飼い主の意図を読み取り、主体的に行動できるようになるトレーニング法。ゲーム感覚で楽しめ、お互いの意思疎通力が高まり、愛犬の集中力がつく。
■ケーナイン・アンリミテッド プログラム
ベーシック・トレーニング・プログラム
「パピー・コース」
(16週齢までの子犬の社会化)
「ビギナー・コース1」
(都会における暮らし方入門)
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「ビギナー・コース2」
(コミュニケーション技術の強化)
「ステップアップ・コース」
(環境変化に対する適応力の強化)
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アドバンス・プログラム
「シェイプアップ・クラス」
(各々の課題に即してトレーニングする
生涯教育プログラム)
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「アクティビティ・クラス」
(楽しみながら、トレーニングや
コミュニケーション技術の強化・
維持をはかる)
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スペシャル・プログラム
「個別コンサルティング」
(問題行動対策) |
「プライベート・レッスン」
(個別指導) |
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庄司さんの「マテ」の指示に従うシャンティ |
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木崎さんが示すスティック先端にごまが鼻先を近づけると、クリッカーを鳴らしてほめ、ごほうびをあげる |

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受講希望者に、人と犬のコミュニケーションの大切さを説き、しつけの見本を示す金子シニア・インストラクター |
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ごまが自分から床のマットに乗るのを待つ木崎さん |
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プロの“ほめるしつけ方”の方法とコツを分かりやすく紹介。ケーナイン・アンリミテッド監修。(学習研究社) |
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