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午前10時。大会旗を先頭に、各競技出場の参加者と参加犬たちがニコニコとトラックを行進。開会式後、全員が楽しげに準備運動を兼ねたドッグダンスで体をほぐす。 「犬山ワンワン運動会」を主催するリバティーペットケアカレッジの事務局・高見吉郎さんによれば、この大会は、98年(平成10)秋、全国で唯一「犬」の字が付く犬山市の町おこしイベントとして始まった。「最初の大会は参加者が100名ほど。それが、年ごとに参加者が増え、今回は、エントリー525組・385頭の48犬種、来場者が2000名以上です」 なお、初回以来、昨年までは「犬山ドッグマラソン」という名称だったが、何キロも走るような誤解を与えるため、今年から「犬山ワンワン運動会」に変更したという。 競技種目は、男女別の「鉄WANレース」(小型犬150m・中型犬300m・大型犬300m)、「パン食い競争」(男女別)、「チーム対抗リレー」(150m×8名&犬)、家族参加の「親子レース」、障害物レースの「犬・山あり谷あり」など。昼食休憩中には、愛犬のユニークな“技”を競う「わんちゃん一発芸!!」や愛犬のかわいさを競う「プリティー?ワン」などもあって、盛りだくさんである。 |
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![]() 熱戦が展開された「男性&小型犬」レース
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10時30分。「鉄WANレース」(女性&小型犬)予選が始まった。合図のピストルとともに、M・ダックスやトイ・プードル、パピヨン、柴犬、ミックスなど、多様な犬たちと、子どもから若者、中年、年配者まで様々な女性の飼い主との、熱い徒競走が繰り広げられていく。中には、車いすで走る女性もいて、ひときわ大きな声援が送られていた。次が「男性&小型犬」レース。同じ小型犬でも、こちらはお互いの競争心がさらに強く、緊迫したレースとなった。 その後、シェルティやコーギー、ボーダー・コリーなど、軽快な走りの犬たちが出場する中型犬レース。さらには、ゴールデンやラブラドール、ドーベルマン、アイリッシュ・セター、シェパードからグレート・ピレニーズやセント・バーナードまでが、鉢巻きをした気合十分の飼い主と疾走、爆走する大型犬レースへと続いていく。途中、雨が降りだしたが、いつの間にか、出場者(犬)と応援団の熱気が雨雲を追い払ってしまった。 競技のルールは簡単で、犬と人が並んで走るか、犬が前を走ること。飼い主が愛犬を引っ張って走るのは違反とか。練習の成果か、犬・人ともに激走するペアもあれば、のんびり散歩気分で歩く愛犬を懸命に励まし続ける飼い主もいる。日ごろの運動不足のためか、ゴール目前で足がもつれて転ぶ人も少なくない。途中で走るのを止めた愛犬を抱っこしながらゴールする人もいて、拍手を浴びた。 |
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![]() 「お母さんったら何してるの〜?」
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「鉄WANレース」予選の後は、「パン食い競争」となった。男女別の小型犬・中型犬・大型犬クラスの飼い主と犬たちが約10組ずつ懸命に、パンのつり下げられたバーに向かって走る。主役はもちろん、愛犬のリードを握った飼い主。誰もが口を限界まで開き、洗濯バサミで留められたパンにかじりつく。意外に難しく、かじりそこねてパンを落とす人も少なくない。でも、さすが以心伝心の愛犬たち。飼い主の代わりに地面に転がったパンをくわえ、とことこと走りだした。 午前の部の最後は、大会一番の人気競技「チーム対抗リレー」予選である。今回のエントリーは、いずれ劣らぬ実力を持つ19チーム(男女混合)。それぞれ特色があり、例えば、ラブラドールやゴールデン、日本スピッツ、コーギー、M・シュナウザー、アイリッシュ・セター、バーニーズなどの犬種チーム。あるいは、ミックスからシェルティ、トイ・プードル、ポメラニアン、テリア、ビーグル、コーギー、フレンチ・ブルドッグ、ラブラドール、シェパードなどの混合チームが各8名・8頭単位でバトンリレーに挑んでいく。メンバーの家族やお散歩仲間が多数応援に加わって、ライバルを追い抜いたり、追い抜かれたり、転んだり、バトンを落としたりするたびに、一喜一憂。大歓声や悲鳴、ため息が上がる。 熱戦続きで会場をわかせた「チーム対抗リレー」予選が終わって、お昼休みとなった。 |
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![]() 「自慢の一発芸!!」「いやぁ〜ん!」
![]() 「トンネルくぐり、出来たよ!」
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グラウンド周辺では、家族ごと、チームごと、仲間ごとに弁当を囲み、屋台に行列ができた。 その中で、トラック内に生まれたにぎやかな人の輪に注目が集まった。愉快な「わんちゃん一発芸!!」イベントである。名前を呼ばれた人たちが愛犬と一緒に人の輪の真ん中に登場。かがんだ背中の上を愛犬がジャンプしたり、愛犬を抱っこして、左右に振ってお尻をぶらぶらさせたり。おすわりをする愛犬の鼻面におやつを積み木のように積み上げ、飼い主の合図で、愛犬がおやつをはね上げ、地面にバラバラと落ちたおやつを猛烈な勢いで食べ始めたり。思わず吹き出してしまうような「一発芸」が続出する。その後は、愛犬のビューティコンテスト「プリティー?ワン」が始まり、晴れ姿の飼い主に伴われて自慢の愛犬が登場した。 トラック脇に設置されたアジリティー競技体験コーナーにも多くの人と犬が集まり、輪くぐり、ハードル、トンネル、シーソー、歩道橋、スラロームなどに興じている。初体験の人と犬も多いのか、トンネルを抜け、ハードルを越えるだけで、大喜びで愛犬をほめあげ、ほおずりする飼い主も少なくない。 |
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![]() 「犬は走っても、人は走る機会がありませんから、楽しかった!」
by. 相馬さん夫妻&「もなか」 ![]() 「犬の速さじゃなく、人の足の速さで負けてしまう(笑)」
by. 市川さん夫妻&「ラブリー」 |
昼食後、会場内を散歩する人びとに話を聞いた。 愛知県日進市から愛犬「もなか」とやって来た相馬さん夫妻は、今回が初参加。「散歩仲間に誘ってもらい、〈チーム対抗リレー〉に参加しました。普段、犬は走っても、人の方は走る機会がありませんから、楽しかったです。犬がたくさんいて、こんなに広い場所でやれるのがいいですね」 愛知県小牧市から愛犬「ラブリー」とやって来た市川さん夫妻は3回目の参加。「最初に来て、楽しかったので、毎年来るようになりました。うちは午後の〈親子レース〉と〈犬・山あり谷あり〉に出場します。思いきり犬と一緒に走れるのがいいですね。でも、〈鉄WANレース〉は、犬の速さじゃなく、人の足の速さで負けてしまうので(笑)」 愛知県常滑市から愛犬「ラブ」とやって来た間宮さん一家は2回目の参加。「お友だちに教えてもらって去年から来ています。去年は娘が〈鉄WANレース〉決勝まで出ました。今年は主人が〈チーム対抗リレー〉で、わたしは〈親子レース〉です。主人は、散歩の時、走ったりして練習してきたのですが、速い人が多くて、順位のほうはあまり…」 愛知県瀬戸市から愛犬「ミント」&「ラム」とやって来た柴田さん夫妻は初来場。「うちの子の兄弟犬が〈チーム対抗リレー〉に出ているので応援に来ました。普段、犬を連れてよくキャンプに行くんですが、レースのほうは大変そうですね。体力が続くかどうかちょっと不安です(笑)」 |
![]() 「お友だちに教えてもらって去年から来ています。」
by. 間宮さん一家&「ラブ」 ![]() 「兄弟犬が出ているので応援に来ました。」
by. 柴田さん夫妻&「ミント」&「ラム」 |
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![]() 「鉄WANレース」で2位と健闘の牛島さんと愛犬「ぶりお」
![]() 激闘の「チーム対抗リレー」で見事優勝!
![]() 「あ〜楽しかった!またやろうね」
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午後の部は、「鉄WANレース」の決勝戦から始まった。さすが予選を勝ち抜いてきた犬と人たちだけあって、どのクラスも緊迫したレース展開になった。 名古屋市から愛犬「ぶりお」と参加し、中型犬(男性)決勝レースで2位になった牛島さんが、仲間たちの拍手を浴びて戻ってきた。「一昨年が初出場で、その時も決勝戦に出たのですが、5位か6位でした。練習は全然してません。この子は見た目よりよく走るのですが、僕のほうが…。年を感じますね(笑)。こんなイベントは他にないので、ほんと、楽しいです」 続いて、「親子レース」の番に。これは、親子や夫婦、兄弟姉妹、家族が手に手をとって愛犬と楽しくかけっこする競技だ。スタートからゴールまで、みんな笑顔で楽しげに走ってくる。 その後が障害物レース「犬・山あり谷あり」だ。スタートしてすぐにトラックに並んだテニスラケットを持ち、色とりどりのボールを載せて少し走る。片手で愛犬のリードを持っているためか、バランスを崩し、ボールがすぐに転がっていく。飼い主を手助けするため、自らボールをくわえて走っていく“忠犬”もいる。第2関門のハードルはなんなく通過。最後が、小麦粉に埋まったあめを人が口だけで探し、くわえるもの。白い粉が舞い上がり、顔を真っ白にした人たちが次々にゴールに駆けこんでくる。 最後が「チーム対抗リレー」の決勝戦。この日のためにトレーニングを積んできたチームばかりで見ごたえも十分。おそろいの青いTシャツを着たゴールデンとフラット・コーテッド・レトリーバーのチームが見事1位に輝いた。 閉会式の後、参加者全員が会場内のゴミ拾いを行って、「犬山ワンワン運動会」が終了した。終日、大会進行に駆け回っていた事務局の高見さんは、「この大会は、愛犬家の人たちに、1日、愛犬と楽しく過ごしていただき、合わせてマナー向上を図っていこうという目的で行っています。あくまで楽しく、勝敗にこだわらず、ゆっくり楽しんでおられるようで、うれしいです」とほほ笑み、「とても好評ですので、今後、もっと規模を大きくして、1年に2、3回開催していこうかと企画しています」と付け加えた。 |
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| *この記事は、2005年12月20日発行のものです。 |
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