![]() |
||
![]() |
|
この10年前後の間に、ペットトラブルに関する相談が大変増えてきました。その背景には、犬や猫などが家族の一員となり、家庭における重みが増したこと。ペットショップで購入するのが一般化して、ペット動物が“財産”的な存在になってきたこと。集合住宅などの室内飼いが普及して、近隣トラブルの要因になりやすくなったことなど、いくつもの要因が考えられます。
そのような状況の下、1999年12月に従来の「動物の保護及び管理に関する法律」が改正されて「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」が成立し、「動物取扱業の届出の義務付け」や「罰則の強化」が盛り込まれました。これにより、ペットトラブルに対して、従来以上に行政的対応、法的対応が取りやすくなりました。 その5年後にあたる2005年6月、動物愛護をさらに推進するために「動物愛護管理法」が改正され、下記のような新規定が決められました。 ●動物取扱業者への登録制(許可制)導入
これまでの「届出制」から「登録制」に移行して、悪質な業者については登録や更新を拒否したり、登録を取り消したり、業務改善・停止を命ずることができる。
●「動物取扱責任者」の選任と研修の義務付け 動物取扱業者の事業所ごとに「動物取扱責任者」を選任しなければならない。また、動物取扱責任者には「業務に必要な知識及び能力に関する研修」を受けさせなければならない。
●特定動物の飼養に対する個体識別措置と許可制の導入 人の生命等に害を与える恐れがあるとして政令で定められる特定動物について、個体識別措置が義務付けられる。また、特定動物の危害等防止の徹底を図るために、その飼養や保管について全国一律の規制(許可制)が導入される。
●罰則の強化 登録制への移行や特定動物の飼養規制の全国一律化等に伴って設けられた措置に関して、必要に応じて罰則が設けられる。また、愛護動物に対する虐待等については、罰金をこれまでの30万円以下から50万円以下に強化される。
(2006年6月1日施行) ![]() ![]() ペットトラブルには、「ペット購入トラブル」「近隣トラブル」「住居・マンショントラブル」「ペットの治療トラブル」などがあります。
例えば、ペット購入トラブルでは、最近インターネット購入にかかわるトラブルが増えてきました。ホームページに掲載された写真や簡単な説明だけを手がかりにペットの購入を決めるため、自宅に送られてきた犬や猫が希望のペットと違った、病気だったといった相談が多くなりました。なかにはアメリカから輸入された犬が気に入らないので、返送したいけどどうすればいいのか、という人もいます。 これまでインターネットなどで通信販売を行っている業者は規制の対象外だったのですが、今回の動物愛護管理法の改正で規制の対象となり、動物取扱業の登録が必要になりました。また、通信販売のサイトには獣医師によるペットの健康証明書の掲示が、さらに販売したペットの輸送には、動物取扱業の登録を受けた動物専門運送業者に依頼しなければならなくなりました。
![]() ![]() 廊下やエレベーターなどの共有部分が多く、壁や床、天井などで隔てられただけの集合住宅において、ペットをめぐる近隣トラブルは深刻化しがちです。そのうえ、お隣が犬嫌いだったり、動物の毛に対するアレルギー体質の人がいたりすれば、犬や猫がいるかぎり、トラブルの種が残ることになります。ですから、普段から愛犬のしつけをきちんとし、臭気や毛の処理を行って、近隣への迷惑を最低限度に抑え、周囲の人々の理解を得られるように努めることが大切です。
愛犬の散歩の時、他の犬や子どもたちに飛びかかったり、かんだりして起こるトラブルも、適正なしつけや管理を行っていれば防げる場合が少なくありません。 なお、動物愛護管理法には、「動物の所有者又は占有者の責務等」として、「その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない」と記されています。
![]() ![]() 近年、獣医療技術が著しく進歩して、従来はあきらめなければならなかった重い病気やケガでも治療できるケースが増えてきました。それとともに、インターネットなどで新しい獣医療情報を得た飼い主などから、「適切な治療が行われていれば、うちの愛犬、愛猫の命が助かったのではないか」という、治療を担当した獣医師への不信感を訴えるケースも増えてきました。その背景に、獣医療の進歩に対応できない獣医師、また、家族の一員である愛犬や愛猫を助けたいという飼い主の切実な思いを受け止められない獣医師がいることが挙げられます。
一方、過剰治療が問題になるケースもあります。反対に、客観的に判断して獣医師側が適切な治療を行ったにもかかわらず、クレーム電話で悩まされているケースもあります。いずれにしろ、ペットの治療に際しては、獣医師と飼い主が、病気やケガの程度、治療方法、治療期間、経費、治癒の見込みなどについてよく話し合い、お互いが合意、納得したうえで治療を進めることが極めて重要です。 |
| *この記事は、2006年2月20日発行のものです。 |
|
| Top of page ▲ |
| << [前の記事] | [次の記事] >> |