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簡単にできる、ワンランク・アップの「ペットの撮影術」


いつもペットの写真を撮っているけれど、何か足りない気がする。
いつも同じような写真ばかり撮ってしまう。
そんなマンネリ化しがちな作品も、ちょっとした工夫で
ぐっと良くなります。今回は、昨年秋に本誌で実施した
「ウチのコ自慢! ペットの写真コンテスト2005」の優秀作品を例に、
プロのカメラマンが今すぐできるワンランク・アップのテクニックを伝授!
ペットをよりかわいく、すてきに撮れるように、ぜひ実践してください。


ご講評いただいた先生
飯田忍写真事務所 SHI-BO(いとう忍)さん
「ウチのコ自慢! ペットの写真コンテスト2005」審査委員長


「ツーショットを“背中”から 撮ってみる」“背中がすべてを語る”。そんな犬と子どもの姿をグッドタイミングで写しました。
撮影:斉藤照子さん/メイ 黒ラブと知り合いの女の子は、庭を見ながら、ふたりで5分ほど会話をしていたとか。少し俯瞰気味に撮っているので、ふたりの「視線」、何を眺めながらお話ししていたのかを感じられていいですね。ついでに、同じ後ろ姿でも、女の子の目線の高さから撮ったり、女の子のお話ししている横顔を写し込んだりすれば、また違った味わいの写真ができたかもしれません。
撮影:宮崎典子さん/菜南子 コーギーと撮影者の息子さんが体を寄せ合って外をのぞいています。こちらはふたりと同じ目線の高さから撮っているので、仲むつまじい立ち姿がよく表れています。ふたりに声をかけて、どちらかが振り向いたポーズなども面白いと思います。
 
「“向き合い”、“見つめ合い” の一瞬を撮る」人と犬や猫、小鳥などが向き合い、見つめ合っている写真は、お互いの“引力”が感じられて、すてきです。
撮影:首藤ふまさん/なつ なつは顔なじみのこの男の子と大の仲良しとか。顔を寄せる男の子を、まるでわが子のように見つめる瞳が印象的ですね。他に、なつが男の子のほっぺをなめている写真、なつと男の子が目線を合わせている写真なども撮れると、もっと楽しい組写真ができるでしょう。
撮影:横山美明さん/ジョウ&ピースケ ふたりの目線がぴったりと合って、見ている者の心にぐっと迫ってきます。この子たちは週に一度、ベランダでご対面しているとのことですから、次はカメラ位置をふたりの目線の高さに下げて撮れば、さらに感動的な写真が生まれると思います。
撮影:水島美代子さん/コロコ 迷惑顔の猫に構わず異常接近中のロボット犬アイボ。このアイボは赤色を認識して近寄っていくのだとか。それなら赤い首輪が写っていれば、さらに良かったですね。今度は、背景がもっとすっきりした場所で、赤い首輪がしっかり見えるように撮ってみてください。
 
「もう一歩前へ踏み込んで撮れば、“アート”な写真が生まれる」撮るテーマを絞り込んで余計なものを省くとぐっと洗練された写真になります。
撮影:光本恵子さん/ちょび カメラをタテ位置に、望遠効果を生かしてぐっとアップで撮った1枚。リスは犬や猫に比べて表情に乏しいので、葉っぱを持ち、もぐもぐ食事をしている姿はとても愛らしく、申し分ありません。子どもとお昼寝をしていると、間に入ってきて一緒に寝るほどの甘えん坊とか。愛情いっぱいのショットです。
撮影:登坂進さん/トム マンションの窓から顔をのぞかせ、遊び仲間のお隣のご主人を待っている猫の、ひたむきな表情がいいですね。奥にベビーカーが写っているところが、生活感が漂っていて味があります。でも、このシーン、もう一歩前へ踏み込んで、トムを中心に、真ん中だけをタテ位置で撮れば、プロ好みのアートっぽい写真になったでしょう。
トリミングでワンランク・アップ!
撮影:齋藤史恵さん/るな この子は女の子でしょうが、横顔は、きりっとしてフォトジェニックですね。ただし、撮影時、もう一歩前に近づき、上半身だけのアップ写真も撮ってみれば、この子の魅力がもっと引き立ってきて、印象的な写真になったと思います。いろんな構図、角度の写真を撮って見比べてみれば、より良い写真がどんどん撮れるでしょう。
トリミングでワンランク・アップ!
 
「小物を生かして、ペットの魅力をさらに引き立てる」小物をうまく使うと、かわいいペットの魅力がもっと引き出されます。
撮影:江川悟さん/小次郎 この子は表情が豊かで、その“素材”だけで十分魅力的。大げさな小物は必要ありません。でも、こんな緑の草原に、赤いボールがひとつ足元にあれば、写真全体がぐっと引き締まって、生き生きとした表情がさらに引き立ってきます。口を開き、赤い舌をのぞかせているのもいいですね。
撮影:八巻柚夏さん/ルナ お気に入りのどんぶり鉢に入ってごきげんですね。一瞬のかわいさを、見事にストロボ撮影したワンショット。クマのテーブルクロスがアクセントになっていて、とてもかわいいです。今度は、日中、明るい部屋にどんぶり鉢を持っていき、逆光や斜光気味に撮れば、また違った味わいの写真になると思います。
撮影:田中博美さん/パロ 小鳥はチョンチョン動いている姿がかわいいのですが、小鳥だけ写真に撮ると、表情の変化が少ないので、“本物”の魅力があまり表れません。ですから、こんなふうに動くおもちゃがあれば、その子のかわいさが画面全体にあふれていきます。
 
「猫の寝姿をあれこれ凝って撮ってみる」猫がのんびりと昼寝している姿ほど愛らしいものはありません。
撮影:中村順子さん/ルナ 周りに余分なものがなく、画面がすっきりとしていて、とてもいいですね。かわいい寝姿を見かけたらすぐ撮影できるように、いつも猫の昼寝場所にカメラを置いておき、何枚かパチパチと撮っていれば、こんなに楽しい写真が撮れます。
撮影:須藤房枝さん/ゆりあ お気に入りのソファの上で、片手をひじ掛けに、片足を背もたれにかけて…。どんな夢を見ているのでしょうか。猫がぐっすりと眠っている時、まず何枚か撮ったあと、手足や耳、しっぽなどを動かしたり、大胆に向きを変えたりして、楽しいポーズをとらせて撮ってみるのも愉快です。
 
「難しさ2倍、でも楽しさ3倍のツーショット写真に挑む」しぐさ、表情がめまぐるしく変化するペットを、2頭同時に撮影するのは至難のワザ。でも、タイミングがうまく合うと、何倍も楽しい写真が生まれます。
撮影:染谷篤さん/チェリー&アップル 背景に余分なものがなく、2頭おそろいで並び、目に光が映っていて、よく撮れています。しかし、2頭ともおすまし顔で、表情が少し硬いのが気になります。いつも家族のみなさんの笑いを誘っているとのことですので、もっと愉快な表情のショットも撮ってあげると、写真がより明るく、華やいでくると思います。
撮影:佐久間寿美江さん/ふくちゃん この写真、兄弟のインコかと思いました。ちょうど黄色と緑の配色が逆転しているところなんて、憎いですね(笑)。このふたり(?)の距離感が絶妙です。光も斜光で明るく、色もきれい。表情も柔らかく、心温まるショットですね。
撮影:佐久間亮さん/くぅ〜&ティアラ この犬たちの表情は素晴らしいですね。このショットの完成度をさらに高めるために、あえてアドバイスしますと、リードは背中に回して目立たないように。また、ひざが見えなければ、この子たちの表情がもっと出てきたように思います。そして、緑いっぱいの場所で撮ればもっと良かったでしょう。
 
「ペットの個性を十分に生かした、ドラマチックな写真を撮る」その子の特技や性格をとらえたショットは、飼い主だけが撮れる醍醐味です。
撮影:今野ありささん/バジル 空を見上げ、ぐっと伸ばした後ろ足の力の入り具合など最高ですね。大きな岩、青い空、緑の木とのバランスも文句のつけようがありません。赤系統の派手な洋服もこの子にとてもよく似合っていて、まさに個性が際立つショットです。
撮影:丸山ゆかり/杏里 桜の花びらを1枚、鼻にくっつけたM・ダックスの子犬。3回目のお散歩とのことで、どこか心細そうな表情がよく表れています。背景に、一緒に散歩に出たご主人らしい人の足元が写っているのも、いいですね。もし、この人がご主人なら、リードが左後ろのほうに伸びていると、もっとストーリー性が出たと思います。それに、実は桜の花は、写真に撮るとかなり白っぽく写るので、プロでも苦労します。背景に、わずかでも花の咲いた桜の枝が写っていれば、なお良かったかもしれません。
撮影:辻本久美子さん/マロン 木が埋もれるほど降り積もった雪の中でさっそうとポーズ。雪の中を駆け回り、遊ぶのが大好きなんですね。ただし、リードを背中に回せば、また、背景の建物が写らない角度から撮れば、もっとすっきりした写真になります。この冬は、東京でもかなり雪が降り積もった時がありましたから、そんな時はぜひカメラを持って戸外へ出かけ、すてきな写真を撮ってみてください。
撮影:清水典鼓さん/ひでよし 大好きな川でスイスイと泳ぐ柴犬の雄姿。動きのある難しい写真を、愛情あふれるまなざしでよく撮っています。この子は冬でも台風でも、毎日川に入るのだとか。
 
「ペットの生き生きした“心”を撮る」写真は、単に印象的な姿・形、しぐさだけを撮るのではなく、被写体の“心”をいかに撮るか、ということが大切です。
撮影:穂苅智恵さん/ユタ 木々の幹や枝を駆け回りたくてうずうずしているのでしょうか。網戸での逆光風景なので、戸外がぼやけていて、余計、シマリスの外にあこがれる思いが強く感じられる気がします。右隅のカーテンのようなものをプリントからカットすれば、さらに良くなります。それに、白い網戸を斜めに区切る黒い窓枠とのコントラストが鮮やかですね。
撮影:真崎美智子さん/チャック 庭に出て、塀に足をかけて、思慮深く(?)外を眺めている犬。ぎりぎりまで近寄り、塀をさり気なく画面の下に配し、2本の前足を右にそろえ、あごを塀の上に乗せ、じっと見つめている犬の顔をしっかりと撮る。被写体への迫り方も、写真の構図も、犬の表情も、すべて本当にいいですね。
同じ犬のもう1枚、少し引き気味に、塀の上から空を眺めているショットも、なかなか味わい深いです。露出がオーバー気味なので、周りの家の景色が白く飛び、犬の茶色い体とこげ茶の瞳、背景の緑がくっきりとして、先の写真と甲乙付けがたい出来です。
 
写真のコメントで一部誤解を招きかねない表現がありましたので、その部分を削除させていただきました。2006年6月20日発行号でお詫び文を掲載いたします。
*この記事は、2006年4月20日発行のものです。


●取材協力
飯田忍写真事務所 SHI-BO(いとう忍)さん
TEL&FAX.0466-35-7386
http://homepage1.nifty.com/shi-bo/

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