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ある土曜日の昼前、富士山麓にある「富士すそ野ファミリーキャンプ場」を訪ねた。受付を過ぎて先に進むと、キャンプサイトが幾重にも広がる。一番奥の小高いサイトにはドッグランが設けられ、その周りは犬連れ利用客専用のサイトになっている。早くも何組かのパーティがテントやタープを張り、くつろいだり、昼ごはんの準備をしたり、ドッグランで愛犬と遊んだりしていた。
山崎さん夫妻と「あゆ」。「今やキャンプに一緒に来てくれるのは犬だけ(笑)」 「うちは子どもが3人いて、以前はよくキャンプに行きました。でも、子どもたちが大きくなるにつれ、ひとり減り、ふたり減りで、今やキャンプに一緒に来てくれるのは犬だけです」と笑うのは、愛犬「あゆ」と東京からやって来た山崎さん夫妻。早めに着き、すでに昼食を済ませ、芝生の上でのんびりとしたひと時を楽しんでいる。住まいが都内の街中だから、たまには愛犬に自然を満喫させてあげたい、との“親心”だとか。
松島さん夫妻と「若葉」&「杏」(奥)。 横浜から来た松島さん夫妻と田中さん夫妻は、よく一緒に犬連れでキャンプに行くという。奥さん方が料理を作っている間、松島さんは愛犬「若葉」と「杏」と、田中さんは愛犬「ダニエル」と「ジョエル」と一緒にドッグランで駆け回る。
「ここの良さは、何といってもドッグランですね。目の前にテントを張れるし、富士山も見られる」と松島さん。キャンプを始めたのは、犬と暮らし始めてから。「ペット可のペンションに泊まっても気を使います。やはり、自分たちでテントを張って、というのが気が楽でいいですね」 田中さん夫妻も、やはりキャンプは愛犬と暮らし始めてから。奥さんが「わたし、それまで虫が嫌いで、こんなところ、絶対に嫌って(笑)」。それが今では、気兼ねなく愛犬と一緒に泊まれ、思い切り遊べるキャンプが大好きになった。でも夏場は暑く、また、人が多いと迷惑をかけやすいので、それ以外の季節によく出かけるのだとか。「冬でも電源サイトを借りて、電気毛布や電気ストーブを使えば暖かいですから」 やがておいしそうな料理ができた。松島さん夫妻と田中さん夫妻がテーブルを囲んで、楽しい昼食パーティが始まった。
専用ドッグランで自然を満喫する犬たち。
石塚さん一家と「モカ」。「やはり子どもたちが喜びますね」 神奈川県平塚市から来たのは石塚さん一家。家族でよくキャンプに行くが、生後7か月の愛犬「モカ」とキャンプをするのは今回が初めてだとか。夫妻でテントを設営している間、子どもたちはドッグランでモカと遊んでいる。
「やはり、子どもたちが喜びますね。ここはロケーションがいいから、仕事のことも忘れてリラックスできます。夜、子どもが寝た後、星空を眺めながら、夫婦でお茶を飲み、普段話さないことを話せるのもいいですね」
富士すそ野ファミリーキャンプ場は、オープンして11年目。オーナーの武田一郎さんがドッグランを整備したのは2年ほど前という。
その時、武田さんはホームページに「ワンちゃんの扱いに注意、ルール・マナーを守れない方は当キャンプ場を利用できません」という告知を掲載した。 そのルール・マナーとは、
●常にリードにつないでおく
などである。●ふんの始末を確実にする ●バンガローなどの建物の中に入れる時は必ずケージを用意する ●キャンプ場に放置したまま出かけない ●予約時に犬を連れて行くことを申し出る ●無駄ぼえなどのしつけがきちんとできている 「それまで、せっかくワンちゃんとキャンプに来ても、日中、ワンちゃんをサイトに置いて遊びに行くお客さんが多くてね」。それでは炎天下に置き去りにされた犬がかわいそうだし、万一、子どもが近づいてかまれたりしては大変。そこで、愛犬を置き去りにせず、マナーを守れる人にだけキャンプ場を利用してもらおう、と決意。ドッグランを作り、その中でだけリードを放して遊ばせるようにした。入場の犬たちは会員証を作り、利用規則を守れば、1年間、無料でドッグランを利用できる。 2年前、先の告知をホームページに掲載したところ、当初、予約キャンセルが相次いだという。しかし、以後、良識のある犬連れの人が増え、犬連れの割合は普段で2〜3割、多いと4割ほどになったという。 「最初は、ワンちゃん連れのお客さんは離さないといけないかな、と思ったんですが、それは昔の話。今は、人も犬もすぐ友だちになって、今度は一緒にキャンプしに来られるケースも少なくないですね」。 |
| *この記事は、2006年6月20日発行のものです。 |
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