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株式会社快適生活サポート 代表取締役 神田 充さん
現在、日本の社会は高齢化、少子化、晩婚化、非婚化などが進んで、家族構成が大きく変化し、家族の一員である犬や猫などと暮らすお年寄り、夫婦や独身者の家庭が非常に増えています。そのような中で、わたしたちは、ペットと暮らす家庭のリフォームのあり方を研究、提案しています。
リフォームというと、すぐに利便性や快適性を重視したものを考えがちですが、わたしは、まず何よりも犬や猫たちの「安全性」を基本にしていただきたいと思っています。
実は、わたしたちが属している、ペットの衣食住を考える団体の調査研究によれば、家庭における犬や猫のケガや死亡事故がとても目立っています。
 滑りやすい床は犬にとって危険!
例えば、階段が滑りやすく、犬が転げ落ちて、手足を骨折したり、頭を強く打って死亡したりするケースもあります。あるいは、フローリングの床や廊下を走り回っていた小型犬が、カーブを曲がりきれず、壁に頭をぶつけて脳挫傷になった話もあります。また、滑りやすく硬い床で育つと、足腰への負担が大きく、股関節や膝関節の病気、椎間板ヘルニアになりやすいことも、よく知られています。
そんな危険性を考えると、床には、滑りにくいコルク材などがおすすめです。コルク材は、弾力があるので足腰への負担も少なく、さらに光触媒など、抗菌性のコーティングを施せば、衛生面でもいいのではないでしょうか。また、フローリングの床にじゅうたん、カーペットを敷けば、滑り止め効果も期待できます。ただし、毛足の長いじゅうたんやカーペットだと、足のつめが引っかかって、転んだりします。それに、よく掃除をしないと、ノミやダニの温床になりかねないので、注意が必要です。
ペットの、家庭での事故で少なくないのは、玄関から飛び出した犬や猫が、そのまま表の道路に飛び出て、車にひかれるケースです。実は、わたしも、15年ほど前、自宅の犬が表に飛び出し、バスにひかれて亡くなりました。
そこで、例えば、玄関の内側に柵をして、玄関から飛び出さないようにする。門扉は、下にすき間の少ないタイプのものを設置する。敷地全体をフェンスで囲い、万一、家のドアや窓から外に出ても、道路に飛び出ないようにする。といった二重、三重の予防策をとる工夫をしてください。室内だけで暮らす犬や猫が、家を飛び出し、迷子になってしまうこともよくあります。
 台所もペットには危ない場所
また、家の中の話ですが、特に犬の場合、おもちゃを始め、人間の食べ物や薬、置物、化粧品など、いろんなものをかじったり、誤飲したりする事故も多いようです。室内でも、台所や洗面所に、ペットが簡単に出入りできないように柵などを設け、室内での住み分けを行うことも必要かもしれません。
フローリングの床の場合、抜け毛やゴミ、汚れが目立つので、比較的まめに掃除機をかけたり、ふき掃除をしたりしますが、じゅうたんやカーペットは汚れが目立たないので、つい手抜きしがちです。また、日干しをしたり、丸洗いをするのも大変で、何か月も敷きっ放し状態になりかねません。
今、気密性の高い家での室内飼いが増え、ペットの世界でも「ハウスダストマイト」といわれる目に見えない小さなダニなどによるアトピー性皮膚炎が増加しています。これは、カーペット類だけでなく、カーテン、壁紙、布団、ベッドなどの掃除、クリーニング、メンテナンスの問題といえます。リフォームを考える時、単にどんな床、どんなカーペットにするか、だけではなく、毎日、こまめに掃除するなど、暮らし方について、もっと工夫することが大切ではないでしょうか。
 シャンプー後はお風呂場も掃除を
水回りにかかわることで気をつけることがあります。それは、ペットのシャンプーをどこでするか、です。お風呂場で犬や猫を洗っている家庭が多いと思いますが、ペットの体には汚れだけでなく、ノミやダニ、あるいは皮膚病の原因になりかねない雑菌などが付着している可能性があります。ですから、シャンプー時、周りに飛び散った水滴などをきれいに洗い流さずに、人間がお風呂を使うと、特に免疫力の弱い、小さな子どもやお年寄りに感染しないとも限りません。
ペットのシャンプーのあとは、丁寧にお風呂場の掃除をすること。可能なら、リフォームの時、ペット専用の洗い場をつくってもいいかもしれません。
特に集合住宅の場合、犬の「ムダぼえ」は、近隣トラブルの元になりかねない厄介な問題です。ムダぼえの悪影響を減らすために、防音壁や二重サッシ、防音ケージなど、リフォームにかかわる対応策もいくつかあります。
しかし、最も大切なのは、飼い主が基本的なしつけをしっかり行い、また、普段のペットとの接し方、暮らし方を改善して、愛犬がムダぼえしないような対策を実践していくことです。
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