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「一級建築士事務所 Office Yuu」代表 Yuu(ゆう)さん
今から20年ほど前、リフォーム専門会社に勤めていた時、将来の抱負について聞かれ、わたしだけ、「動物と一緒に暮らせる家づくり」と答えたことを覚えています。しかし、その後、実際にかかわってきたのは、普通の、人のための家づくりでした。
それが、近年、室内飼いの普及によって、動物も人も快適に暮らせる家をつくりたい、という要望が多くなり、そういったご相談も増えてきました。ようやくわたしの長年の夢がかなう時代になりました。
動物と暮らしている家を訪問して、玄関に入ると、その家庭がどんな動物を飼っているのか、においで分かることが多いですね。犬の場合、体から発散するにおいが付着しやすいのは、カーペット、カーテンなどの布製品や壁紙です。それらの対策を行うだけでも、かなりの効果があります。
布製品を選ぶなら、こまめに洗濯できるウォッシャブルなものを選ぶこと。また、現在は、カーテンやカーペット、壁紙でも、防臭加工、防菌加工、防ダニ加工などの施された機能性ファブリックスが多く市販されています。また、カーテンに代えて、ブラインドを選ぶこともおすすめです。
猫の場合は、トイレのにおい対策ですね。トイレの設置場所は各家庭で様々ですが、近くに必ず換気扇を付けてください。そして、トイレ周りの壁には、においを吸着する機能性壁材を使用してはいかがでしょうか。また、有害物質を吸着して防臭効果のあるセラミックタイルを壁紙の上から張ったり、珪藻土の壁に替えたりしてもいいですね。
なお、このような換気扇や機能性壁材は、トイレスペースに限らず、においのこもりやすい玄関やペットの寝床のある部屋などにも活用してください。
トイレの設置場所にだけ、部分的に塩ビシートを張るのもいいでしょう。周囲が汚れても掃除しやすく、また、安価で手軽ですので、時々張り替えても、手間も負担もあまりかかりません。現在は、木目調やタイル調など、いろんなタイプの塩ビシートがありますので、フローリングやタイル床に合わせて選べます。
床にはフローリングが好まれていますが、床材には、いろんな表面加工、例えば、傷がつきにくいもの(対摩耗性)、アンモニアに強いもの(対薬品性)、水に強いもの(耐水性)などがありますから、よくチェックして選んでください。また、フローリングは滑りやすいので、表面に滑り止めワックスをかける必要があります(中には、ワックスのにおいが合わない人もいますので、事前に確認してください)。
犬の快適性と安全性、掃除のしやすさなどを考えると、フローリングの代わりにタイルを選ぶのもおすすめです。タイルには表面がザラザラして摩擦係数が高く、滑りにくいものがあるので安心です。また、モップなどで気軽に水ぶきできるので、におい対策にも有効で、衛生的です。
夏場などは、冷たくて、犬や猫が昼寝するのにぴったりですし、床暖房をすると部屋全体が暖かく、動物も人も、心地良い暮らしが楽しめます。人も横になりたいのなら、ラグマットを敷くか、部分的に畳を埋め込むことも可能です。
和室の広縁やリビングの面する庭先などに、簡単なサンルームセットを設置し、犬や猫のお昼寝スペースにするのもいいですね。床をタイル張りにしたり、ウッドデッキを敷いたりして、アウトドアリビングにすれば、休日や散歩の後、雨の日などに、ペットと一緒にのんびりしたひと時を楽しめます。
和室の場合、猫が障子やふすまを破いたりすることも少なくありません。そんな時、障子の和紙の代わりに、和紙調の樹脂シートを、また、ふすまの代わりにメラミン素材でつくった戸を付ければ、破られることもありません。それぞれ、色柄、模様とも種類がたくさんありますので、お好みのものを選んでください。
猫のいる家庭でリフォームをする際、壁に階段状の棚を付けたり、天井近くにキャットウォークを付けたり、それに組み合わせてキャットタワーを設置してあげてもいいでしょう。壁工事のついでにすれば、それほど手間も費用もかからず、取り付けられます。
もっとも、多頭飼いの家で、キャットウォークの上に猫が食べ物を吐き、掃除できずに困ったケースもありますから、事前にメンテナンスの方法を考えておくことが大切です。
収納には、「見せる収納」と「隠す収納」があり、最近は、インテリアを兼ねた「見せる収納」の飾り棚などが人気です。しかし、これだと、猫や犬の遊び場になって、収納品も傷みがち。やはり、ペットがいるのであれば、「隠す収納」で、「扉付き」をおすすめします。ですが、扉の表面が普通の木質なら、つめとぎの標的になります。メラミン製などの表面がツルツルしたものが最適です。
もし洗濯機を置いている洗面所周辺をリフォームされるのなら、思い切って、ユーティリティ・ルームに改装し、その一角に、犬の足洗いやシャンプーのできるシンクを設置してみてはいかがでしょうか。ついでに、勝手口を付け、散歩帰りには勝手口から直接ユーティリティ・ルームに入り、愛犬の足を洗い、体をふいてあげれば、とても便利です。
調理中、キッチンやダイニングルームに犬や猫が出入りすると、刃物やレンジなどでケガややけどをしたり、食材をつまみ食いされたりする可能性があります。そんな時、キッチンとダイニング、あるいはリビングとの間に、素通しの、格子目(猫が通り抜けできないほど)の引き戸を付け、調理中や食事中はその引き戸を閉めておけば、光も風も通り、ペットの姿も見えるので、とても安全で快適です。
また、お化粧スペースなど、犬たちに出入りしてほしくない室内の一角を、犬が入れないように、エクステリア用の低いパーティションで囲い、扉を付けて、出入りするようにしてもいいでしょう。
リフォーム工事中は、普段、見知らぬ職人さんがいろんな物を持って出入りします。また、玄関ドアや窓、門扉などを開けたまま工事することも多く、怖がった犬や猫が戸外に逃げ出して、迷子になったり、交通事故に遭ったりすることもあります。
外飼いなら、人の出入りしない場所に、しっかりつないでください。室内飼いの場合は、工事をしていない部屋に隔離して、万一の事故を未然に防ぐことが大切です。
「一級建築士事務所 Office Yuu」代表
一級建築士
インテリアプランナー
インテリアコーディネーター
マンションリフォームマネジャー
Yuu(ゆう) さん |
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設計事務所を経て、住宅リフォーム専門会社に10年間在籍後独立。業者選び、プラン、インテリアコーディネート、ライフスタイルに合わせた住まい方などをトータルでアドバイスする「リフォームコーディネーター」として活動中。インターネットサイトAll Aboutのリフォームガイドを務めている他、業者選びの方法からプランニングまでのノウハウを「リフォームのホント・裏話」としてWebで公開中。著書に『リフォームを頼む前に読む本』(日本実業出版社)がある。 |
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