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インコとの出会いは、大学院での行動心理学研究で、「セキセイインコがいかに音を聴き分けるか」の実験を行ったのがきっかけです。
インコは、物事の認識能力も学習能力も高く、工夫すれば、いろんなことを学習します。実際、複雑な概念も分かるみたいで、ヨウムという種は赤や黄などの色、三角や四角などの形の概念、さらには「ゼロ」が分かるともいわれています。それにインコは人の言葉を覚えるので、いい話し相手にもなりますね。
その分、飼い方には注意と工夫が必要です。インコは、野生ではエサを探して広範囲を移動する鳥なので、単に小さなケージに入れ、新鮮な水とエサがあるだけの状態では退屈します。エサを紙や箱の中に隠したり、言葉や芸を教えて、うまくできればエサをあげる、といった“仕事”を作り、食べるのに手間暇、時間がかかるようにするのもいいでしょうね。
インコは集団で生活する習慣があり、最初、いきなり静かな部屋に1羽だけ置いておかれると落ち着かず、仲間を呼ぶために鳴いたりします。その時、人がすぐに行くと「鳴けば人が来る」ことを学習し、鳴いて人を呼ぶ習慣がつくこともあります。日中は、いつも人の姿が見える、人の目線の高さぐらいの位置にケージを置き、インコがおしゃべりしている時に声をかけたり、遊んだりしてあげましょう。
退屈したり、不安感、孤独感が強いと、ケージや人の指をかんだり、鳴き騒いだり、自分の羽を抜いたり(寄生虫などの病気の時もあるので動物病院へ)という問題行動につながることもあります。そんな時、“クチバシをピン”とたたいてもインコはどうしてしかられているのか分かりません。また、「罰を与える人」も嫌いになったりします。しかる前にインコの気持ちを想像し、生活環境を改善したり、わたしたちのかかわり方を変えたり、遊ぶ時間を十分に取ったりすることで問題行動は解決します。
ところで、室内でインコを放していて、人の出入りに紛れて逃がすこともよくあります。ケージから出す時は、ドアや窓の開閉に十分に注意してください。逃がさないために羽を切る人もいますが、インコは羽を切られると行動が制限され、ストレスが高まることもあります。また、床にいて、人に踏まれる事故も少なくありません。それぞれの家庭で、インコとどんな暮らし、付き合い方をすればいいか、相手の立場に立って考えてみること。それがインコと上手に暮らすコツです。
オーストラリア原産の小型インコ。頭が良くて比較的人に慣れやすく、色や柄などのバリエーションが多いことからペットとして人気。体長は12〜17cmで体重は35g前後。寿命は約10年。
「インコをよい子にしつける本」
インコの代表的な問題行動の解決方法など、役立つ情報が満載の1冊。青木愛弓さん監修。/誠文堂新光社

わたしの動物病院でも、15年ほど前から「ウサギは診てくれますか」という問い合わせが増え、犬や猫と同じレベルで診療するために海外の文献を集めて勉強を始め、8年前にウサギ専門病院を開院しました。
自宅にも2匹いますが、ウサギは飼うとはまりますね。犬や猫などの肉食動物と違って、ウサギは草しか食べない動物で、狙われないように暮らしたい、という“波長”がいとおしいのかもしれません。それに、犬や猫は人に密着するけれど、ウサギには独特の距離感があります。例えば、こちらが元気な時は犬がいい。ちょっと疲れた時は猫がいい。でも、すごく疲れている時、特に心が傷ついている時はウサギがいい、みたいな(笑)。
ウサギを飼っていない人は、ウサギはすごく善良で従順と思っていそうですが、実際はいばっているし、ある意味悪賢く(笑)、かわいがってばかりだと、ウサギがボス、人間が部下、になってしまう。そんな生意気なところがかわいい。ただし、ウサギを病気にさせたり、悪いクセをつけたりするような飼い方だけはしないでほしいですね。そのために必要なのは、衛生的な飼い方、十分な運動、干し草を中心にラビットフードを加える食生活、それにしつけ。つまり、ウサギをわがままにさせない、悪いことを覚えさせないことが大事です。
ウサギは、ケージをかじった時、人が外に出してほしいのかと扉を開けると、ケージをかじる=開けてくれる、と1回で学習します。食器をひっくり返した時、擬人化して、「おーい、飯!」と訴えているように思ってラビットフードを与えるのも同じです。ケージをかじっても、食器をひっくり返してもそのままにしていれば、そのうちにやめます。でも、「仕方ないな」と、一生、その子の言いなりに世話をしている人も多くいます。
自宅のウサギを抱っこできないと、世話が必要な場合、困ります。ウサギは、親が子を抱かないので、基本的に抱っこが嫌いです。犬や猫もそうですが、誰でも子犬、子猫は抱っこするものと思って抱くから受け入れるのです。それに、ウサギは犬や猫より社会化期が短く、その時期を逸すると難しくなりますので、早く抱っこを教えることが必要です。それに、自分の縄張りの中ではすごく強いけれど、縄張りの外ではすごくしおらしいのが普通です。薬をあげたり、つめを切ったりする時は、風呂場やトイレなどでするとうまくいきます。
短かめの耳と丸い顔が特徴の小型のウサギ。
「ピーターラビット」のモデルといわれており、ペットとしての人気も急上昇。オレンジ、グレーなど様々な毛色がある。体長は約25cm前後で体重は1kg前後。
「うさぎの育て方・しつけ方」
ウサギの飼育方法のいろはから病気のことまで分かりやすく解説。斉藤久美子先生監修。/小学館

フェレットはイタチ科の動物で、ヨーロッパケナガイタチが家畜化されたものといわれています。ちょうど犬と猫の中間ぐらいの賢さでよく懐き、飼っていると気持ちが通じて、こちらの言っていることもよく分かります。しつけができて散歩の必要もなく、鳴かないし、つめとぎをしないので室内飼いにぴったり。それに年を取っても、やることは子どもっぽく、いくつになっても楽しく、一緒に遊ぶことができます。現在、わたしが副会長を務める国際フェレット協会には2万人を超える会員がいますが、中には自宅のフェレットを連れて老人ホームなどの訪問活動をし、とても喜ばれているケースもあります。
わたしの主人はアメリカ人で、フェレットのかわいさに引かれ、1992年にアメリカから日本にフェレットを紹介。翌年、臭腺を取り、避妊・去勢手術した従順で人によく懐くマーシャル・フェレットの取り扱いを始めました。
フェレットは好奇心が強く遊び好きで、室内で放し飼いすると、わずかなすきまから壁の中や天井裏に入ったり、ベランダやドアの開閉時、さっと外に出て行ったりして危険。実際、室内で事故死したり、野外で保護されたりするフェレットは少なくありません(協会登録フェレットは03年からマイクロチップ装着)。普段、ケージやサークルに入れておき、1日1回、掃除の時、部屋に出して一緒にたっぷり遊んであげてください。
フェレットのしつけは難しくありません。トイレをケージの隅に置き、ウンチを入れておけばすぐに覚えます。ただし、バックしてトイレに入るので、入り口は低くすること。また、いたずらしたり指を甘がみしたりすれば、ちょうど猫のように首筋をつかみ、口で「ダメ!」と言い聞かせてください。何度か繰り返しているうちにやらなくなります。首筋には神経が集中していて、フェレットはそこをつかまれるとおとなしくなります。耳掃除やつめ切りの場合もそうして行い、終われば「お利口だったね」とほめてあげます。
健康管理については、犬ジステンパーのワクチン接種をきちんとし、フェレット用フードを食べさせ、毎日一度はよく遊んであげていれば大丈夫です。あとは毎日、便と動きの状態をチェックして、異常があれば動物病院へ連れて行ってください。ただし、暑さには弱いので、温度管理には十分注意してください。特に直射日光は危険です。
イタチ科の肉食動物。セーブルやバタースコッチ、アルビノなど毛色には色々な種類がある。マーシャル・フェレットとは、米国のフェレット専門社マーシャル社から輸入された個体のこと。体長は約35〜40cmで体重はオスが900〜1500g、メスが600〜1200g。寿命は6〜8年。
「フェレットの医・食・住 改訂版」
コールマン千枝子さん著のフェレット飼育の入門書。
フェレットの医・食・住、しつけの仕方などが分かりやすくまとめられている。/どうぶつ出版

リクガメ科には大小様々な種類があり、わたしたちは、地中海沿岸を生息地とするギリシャリクガメと、カスピ海周辺など中央アジアを生息地とするホルスフィールドリクガメ、合わせて42頭ほどと暮らしています。
リクガメは草食ですが、硬い甲羅を発達させたので、生息地ではほとんど天敵がいない、ある種、食物連鎖の頂点に立つ動物です。ですから、早く走る必要もなく、いつもマイペースで生きていて、犬のように顔をなめたり、しっぽを振ったりしません。でも、こちらが、こんな野草をあげればいいかな、こんな飼育環境を整えてあげれば喜ぶのではないか、と考えて、何か行動を起こすと、顔つきがいつもと違ってきます。ガツガツ食べてくれたり、彼ら独特の「気持ちいいポーズ」をしてくれる頻度が増えたり…。そんなささやかな反応を返してもらったり、色々調べたりすることがとても楽しいですね。
ギリシャリクガメに一目ぼれして飼いだしたのは15年ほど前ですが、当時、国内にはリクガメの飼育情報はほとんどなく、欧米から情報を取り寄せたり、パソコン通信で国内の愛好家や獣医さんと情報交換しながら、飼育方法を学んでいきました。
特に大切なのは、温度と湿度、日照条件、空間の広さなど、彼らが遊べるだけの環境をいかに整えるかです。カメは変温動物なので、体を温めないと活動できません。また、暑過ぎると体の中に熱がこもって危険です。いつでも体を温められるホットスポットや日光(日光不足だと、クル病のようになりやすい)、日陰、風通しのいい涼しい場所が必要です。また、日中はよく歩き回るので、狭い水槽の中でずっと飼っていると、心地良い場所を選べず、運動不足になりやすいでしょう。
食べ物でいえば、リクガメは、甲羅を形成するカルシウムを始め、体に必要な栄養素をすべて植物から得ています。しかし市販の野菜は栄養素に偏りがあるので、週末、ふたりで多摩川河畔に行き、タンポポやクローバー、クズ、ヤブガラシなど好きな野草をいっぱい摘んできます。なお、シュウ酸が多い野草や野菜は、生で食べるとカルシウムが吸収されないので、選んで与える必要があります。彼らの本来の生息地は石灰質の土地で野草はカルシウムが豊富ですが、日本の土質では無理なので、卵の殻や貝殻、インコ用のキャトルボーン(イカの甲)などを砕いてあげています。
とにかく彼らはグルメで、摘んできたばかりの新鮮な野草ならガツガツ食べますが、冷蔵庫に保管したものは食が落ちますね(笑)。
小型種。甲羅の模様がギリシャ織という織物に似ていることが名前の由来。甲長は約15〜30cmほどで体重は約2kg強。寿命は数十年。
小型種。ロシアリクガメ、ヨツユビリクガメとの別名も。甲長は約20cm前後で体重は約1kg。寿命は数十年。
「リクガメ飼育百科−完全飼育マニュアル」
森夫妻が自らの飼育経験や知識を生かして著したリクガメの飼育マニュアル。/めいけい出版
| *この記事は、2007年8月20日発行のものです。 |
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