現在、愛犬と一緒に北海道や沖縄へ飛行機で旅する人も多くなりました。でも、海外旅行となると、長期の海外赴任や留学以外、出入国時の動物検疫制度の問題(特に長期間の係留)などもあり、これまで挑戦する人は少ないというのが現状でした。
しかし、最近は検疫制度も改正され、例えば狂犬病がない※指定地域とされるハワイでは、マイクロチップが埋め込まれ、狂犬病ではないと証明された犬であれば、4か月間の国内待機ののちに、現地到着当日及び日本入国当日、12時間以内(通常、1時間程度)の係留に短縮でき、愛犬連れの海外旅行も“夢”ではなくなってきました。
最初から片道10時間前後かかるヨーロッパやオセアニアへ短期間の旅行で行くのは、愛犬への負担が大きくなります。ハワイは動物検疫の厳しい州とも言われていますが、日本人に好まれ、なじみが深い土地。また、夜の便の出発になりますから、愛犬が眠っている間(6時間程度)に現地に到着するので、機内での心配が少し減ります。
※「指定地域」とは、農林水産大臣が狂犬病の発生がないと認めた地域のことで、2005年6月現在、台湾、アイスランド、アイルランド、スウェーデン、ノルウェー、英国(グレート・ブリテン及び北アイルランドに限る)、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムの11地域が指定されている。
ハワイの動物検疫をパスするには、次のものが必要になります。
- マイクロチップの埋め込み証明
- 蛍光抗体ウイルス中和検査に合格
- 事前の狂犬病予防接種、他各種予防接種や健康診断証明の申請
まずハワイの検疫所で指定された規格のマイクロチップを埋め込んだあと、動物病院で採取してもらった血清を、蛍光抗体ウイルス中和検査のために、アメリカのカンザス州立大学に送ります。その検査にパスし、狂犬病でないことが証明されれば、検体(検査用血清)がカンザス州立大学のラボに到着した日から4か月間国内で待機し(国内係留)、なおかつ健康であると判断されれば、ハワイ動物検疫所の係留期間を短縮することができます。
もっとも、血清は腐敗しやすいため、ドライアイス詰めの航空宅配便で、採取後24時間程度でカンザス州立大学に到着させなければなりません。週末に着くと翌週まで開封されませんので、現地到着日時を逆算して動物病院で採取してもらい、検疫所で輸出許可を取り、ドライアイス梱包をして、すぐに国際空港付近にある海外宅配便業者の窓口に持参、発送することが大切です。
蛍光抗体ウイルス中和検査の結果は、約3週間後、ハワイ動物検疫所のインターネットホームページに公開され(マイクロチップ番号をチェック)、同時に文書で通知されます。
●健康管理
成田空港の検疫所及びハワイ動物検疫所への事前申請が必要となります。そしていかに必要な書類がそろっていても、愛犬の健康に問題があれば、出入国当日、動物検疫をパスすることは不可能です。そのため、健康管理に十分注意してください。
●クレートトレーニング
愛犬は、各航空会社規定のケージ、クレートに入ったまま飛行機に乗せられることになります。そのため、クレートに入る訓練ができていないと、移動中も落ち着かず、ほえたり騒いだりして周りに迷惑をかけるだけでなく、心身の消耗も激しく、現地に到着した時、ぐったりしている可能性もあります。そんな事態を避けるために、普段からクレートトレーニングを行い、飛行機や飛行場での移動中、リラックスできるようにしてください。
●しつけの再確認
国内を旅行する時も同様ですが、現地では、戸外ではリードをつけて移動します。どんな時、どんなところでも興奮してムダぼえしたり、あちこちでオシッコやウンチをしたりしないように、しつけ、トレーニングの再確認をしてください。
●“安心グッズ”を用意
いつも使っているクレート、食器、タオル、おもちゃなどを用意して、現地でも自宅と変わらない生活を送れるようにしてください。
なお、フード、おやつなどの食べ物をハワイに持ち込むことはできません。事前に、現地のショッピングセンターやペットショップで手軽に入手できるアメリカ製フードに慣らしておいたほうが安心かもしれません。
●現地での宿泊先を確保
ハワイはヨーロッパなどと違い、愛犬と一緒に泊まれるホテルは現在1軒のみです。
一方、リゾート客が手軽に利用できるコンドミニアムやウイークリー・アパートメント、レンタルハウスなど、愛犬と一緒に泊まれるところがあります。静かで自然環境に恵まれたリゾート地や住宅街にある、そんな滞在型の宿泊先を選んでください。
●滞在期間
せっかく長期間に渡る準備をして愛犬とハワイでリゾートを楽しむのなら、せめて1週間から10日、ゆっくりできるぐらいの余裕を持った日程を組みたいものです。また、犬も人も仲のいい犬仲間の家族と一緒に旅行し、コンドミニアムやレンタルハウスを借り切って、ともに遊んだり料理したりすると楽しさも倍増するのではないでしょうか。
●レンタカーの確保と国際免許証の取得
愛犬と一緒に現地を移動するには、レンタカーの活用は不可欠です。そのためには、事前に「国際免許証」を取得する必要があります。国際免許証は、有効期限が1年のため、国内の免許証の有効期限が1年未満の場合は取得できません。近くの運転免許センターや警察署で国際免許証取得に必要な手続きについて問い合わせてください。
●現地での注意
必ずリードをつける
ハワイでは、戸外で愛犬をノーリードで連れ歩くことは認められていません。街角や公園、ビーチなどを散歩する時は、必ずリードを着用してください。また、犬の立ち入りが禁止されているビーチや公園がありますので、よく注意してください。
ネームプレートをつける
万一、愛犬がパニックを起こしたり、野生動物を追いかけたりして行方不明になれば大変です。滞在先の住所と電話番号を明記したネームプレートを首輪につけて、“万一”に備えてください。海外で使用できる携帯電話の番号も必須です。
フィラリア予防とノミ・ダニ予防
ハワイは冬でも日本より暖かいので、たとえ冬場に旅行しても、フィラリア予防を忘れないでください。また、ノミ・ダニの予防もして、快適で健康的な生活を送ってください。
●必要情報を入手
ハワイに到着後、愛犬と一緒にまず最初に訪ねることをおすすめするのは、オアフ島にある動物愛護協会「ハワイ・ヒューメイン・ソサエティ」です(カウアイ島には「カウアイ・ヒューメイン・ソサエティ」があります)。
ここでは、ボランティアが中心になって、犬や猫、鳥など小動物の保護、育成、飼い主のいない保護動物の里親活動などを行っています。海外からの旅行客も気軽に立ち寄り、施設を見学したり、併設のドッグランを利用したり、また、滞在中に役立つ動物病院情報や、犬が利用可能なビーチ情報などを入手することができます。
●食事について
コンドミニアムやレンタルハウスなどの滞在型の宿泊施設には、しっかりとした調理具や食器が備えられています。ショッピングセンターやファーマーズ・マーケット、朝市などで、新鮮な魚介類や肉、野菜、果物を仕入れ、みんなでわいわい自炊するのもいいものです。
なお、街のレストランや食料品のお店などは、衛生局の指示でペット不可が基本。ですから、食事の時も愛犬と一緒に、朝夕の食事は宿泊先で、昼間はテイクアウトできるお店で買った食べ物を持って、気持ちのいい自然の中で食べるのがベストかもしれません。
●自然環境を楽しむ
ハワイは、緑あふれる大地と美しい海に恵まれた“楽園”です。そんなハワイを愛犬と満喫するために、朝夕、宿泊先の周辺を散歩したり、すてきなビーチや公園で過ごしたりする時間を大切にしてください。実際、ハワイに到着すると、犬たちが本当に生き生きとした表情で歩いたり、走ったり、寝転んだりします。また、犬を連れた地元の人々と声をかけ合い、仲良くなることもよくあります。
貴重な愛犬との旅ですから、ショッピングや現地ツアーなどの慌ただしい日程を組まず、動物さえも癒やしてくれるハワイでのリゾートライフを存分に味わってください。
※掲載している情報は2006年11月現在のものです。渡航手続き等の詳細や最新情報については、各機関でご確認ください。
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