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こうすれば、もっと良くなる! 「ペットの撮影」塾


光を効果的に使って
あくび「全開」の“決定的” 瞬間をねらう 撮影:名犬ラッシーさん/タウザー シャッターチャンスを逃さず撮っています。猫があくびをしている時間は、長いようであっという間なので、こんなふうに口を全開にしている“決定的”瞬間を撮るのは、大変です。きっとこの人は、カメラを構えてしばらく待っていたんでしょうね。ただ、もう少し画面を整理して、周りの余分な物をカットし、あくびする猫の顔だけをトリミングすれば、写真のグレードが何倍にも良くなると思います。「トリミング」は、写真の立派な技術のひとつですから、試してみる価値は十分にあります。
日だまりの猫を撮る 撮影:H.Uさん/ジャム 日光を浴びて、まぶしそうな、そして暖かそうな顔で座っている猫の表情がよくとらえられています。背景の黒い影と、日光を浴びた猫との対比も面白い。ただ、もう少し画面を整理して、猫と影だけにしぼり、周りをカットしたほうがずっと印象的になったと思います。特に、猫の胸に写っている暗い影が、せっかく気持ち良さそうに座っている猫を、重苦しく見せてしまいます。また、猫と影の比率を50:50の割合にすれば、もっとコントラストが鮮やかになったのではないでしょうか。
モノトーンの味わいで、 エンディングにぴったりの写真 撮影:池田 由貴子さん/くろ 風呂場の壁に当たる日光の具合が絶妙ですね。普通、風呂場というのは、洗面器やせっけんなどがあって、すっきりと「絵」にならない場所です。しかしこの写真は、猫を始め、全体を、壁に当たった光の影の中におさめ、うまくモノトーンの“モダンな味”を引き出しています。ドアの処理の仕方も上手で、これがあるから、写真を見る人が風呂場と分かる。画面左下の「日付」の代わりに、「The End」とエンドマークを入れれば、とても優れた写真集のエンディングページになりそうです。
ポートレートをねらう
パグの良さが120%出ている写真 撮影:モカ母さん/モカ これは、“パグ”ですね(笑)。余分な演出や言葉は一切不要、パッと見ただけでこの写真の良さが分かります。少しぼけて見える背景の机やいすも、淡いクリーム色の同系色で目立たないので、じゃまになりません。とにかくパグのかわいらしさ、おかしさが全部表現されています。特に、頭をちょっとかしげているところに(傾きが逆ではダメですが)、パグの良さが120%出ています。この写真を見れば、「パグと暮らしたい!」と思う人がたくさん出てくるんじゃないですか。
自分が思い描いた通りの写真を撮る 撮影:日野原 礼好さん/サンタ かわいい写真ですね。この人は、初めからこんな写真を撮りたくて、白いバスケットを買い、服をそろえ、愛犬をきれいにトリミングして、用意周到で撮ったんでしょうね。なおかつ、前ボケ、後ボケを計算して望遠レンズを使い、白い愛犬がうまく写るように、薄日か曇りの日に、それも光がうまく犬に当たるような位置で撮影しています。こんなふうに、自分が思い描いた通りの写真が撮れると、撮影の楽しさもひとしおでしょう。
犬の想いが手に取るように分かる 撮影:渡辺 みづ穂さん/ボンボン 「これ、何だろう?」とでも言いたそうに、ちょっと首をかしげたフレンチ・ブルドッグの愛らしい特長がよく出ています。松ぼっくりを前にして、いかにも「僕、1、2、3個までは数えられるんだけど」とか「どれがいいかな」と考えていそうな雰囲気があって、犬の想いが手に取るように分かる気がします。無機質な背景の中に、松ぼっくりとそれを見つめる犬とのバランスが絶妙。服もとても似合っています。
寝顔を撮るには「プラスアルファ」を考える 撮影:穂苅 智恵さん/チョコ 猫や犬がすやすや眠っている姿は、飼い主なら誰でも撮りたくなります。でも、自分のアルバムに張るだけならいいのですが、他人にその写真を見せようとすると、「眠っている」だけでは何かが足りません。そこに「プラスアルファ」がないと、その猫や犬を知らない他人を引きつけるのが難しいのです。この写真は、ぬいぐるみに寄り添って眠る姿がとてもかわいい。それに、背景に写る花柄の毛布が、お花畑で遊ぶ夢を見ている猫を連想させるようで、ほほ笑ましいですね。
迫力のある、リスの顔を撮る 撮影:鈴木 悦子さん/BELL この写真でとりわけ引かれるのは、リスの目。リスの耳と目がつり上がっていて、顔の表情に“力”を感じます。リスの顔の部分だけをアップにしたら、きっとすごく迫力のある面白い写真になるでしょうね。それに、鼻を頂点に両耳を結んだ線が三角形で、食べ物を両手で持っているところが四角形と、構図的にもよくまとまっています。食べている物がもっと大きければ、その形がはっきりして、さらに良かったかもしれません。このポーズはいつでも撮れますから、再チャレンジしたら、すごく面白い写真が撮れますよ。
暮らしの中で
画面の不安定要因をカットする 撮影:塩坂 ZILS 昌子さん/チョビ まるで地中海の避暑地で撮ったような、明るくカラフルな写真です。猫がくつろいで、舌なめずりしているのもかわいい。ただ、しっぽがわずかに切れかけているのが惜しいです。それと、バックの、植木鉢を載せたテーブルが傾いて写っているのも少し気になります。パッと見た時に、猫が落ち着いて寝ころんでいるのに、どこか不安定な印象を与えてしまうのは、そんな画面に写る被写体の「傾き」のせいだったりします。この場合、かわいい猫の表情をアップで撮ったほうが良かったかもしれません。
丸、三角、四角の構図を生かす 撮影:下庄 啓之さん/小次郎 一目見て、床のコーナーが三角、ガスヒーターが四角、マットとコードが丸、と、構図的によく考えられた写真です。そのうえ、温まりながら、振り返った犬の表情がとてもいい。壁が目立つマンションなどの室内では、動物の写真は撮りづらいのですが、その中で、うまく画面を構成して撮影しています。ただ、残念なことに、最近の暖房器具は無機質なので、写真だけでは暖かさが感じ取りにくい。もし、真ん中に透明の窓があり、赤い火が見えるような暖房器具だったら、暖を取る犬の気持ちが描かれて、さらに良かったかもしれません。
テレビ好きの猫をねらう 撮影:熊倉 雪子さん/夏々 テレビに映る、動く物を追いかける猫は多いですね。これは、サッカーの試合で、ピッチを転がるサッカーボールを捕まえようとしている姿を、いい感じで撮っています。横から撮影しているので、ストロボの光がブラウン管からカメラに反射せず、また、真剣な猫の横顔がうまく写っています。できることなら、サッカーボールがアップになった場面など、猫が何をねらっているのか、写真を見る人によく分かる瞬間を撮れば、もっと面白かったでしょう。これは、繰り返し撮れる被写体なので、再度、挑戦してみてください。
“偉そうな”猫の、“偉そう”な 態度を撮る 撮影:関根 幸子さん/なっつ 普段から、よく愛猫を観察しているのでしょうね。「君、さぁ…」みたいな態度で(笑)、どこかの社長さんみたいに“偉そう”にリラックスしている姿を撮りたかったのだと思います。その感じをもっと出すためには、後ろのカーテンや横のビデオテープ、前のじゅうたんの模様、猫の後ろ足などをカットする。そして、猫のポーズ、特に片ひじをついているところが目立つように、もっとアップで撮ることが大切です。アングルをもう少し下げて、下から猫を見上げるようにすれば、さらに“偉そう”感(?)を強く出せるでしょう。
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*この記事は、2007年4月20日発行のものです。


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