人に国民性や民族性があるように、 犬にも犬種や地域性による差があるのでしょうか。 また、ネコの「遊び」には、ネコの生き方や性格が どのように反映されているのでしょうか。 (ご質問は、本誌編集部まで) |
| 日本犬と西洋犬は、外見がかなりちがいますが、 性格的な相違もあるのでしょうか。 (川崎市多摩区 白川絹子)
犬種は現在、四百種以上ありますが、それぞれの犬種の遺伝子研究も進んできて、系統発生がかなりわかってきました。それによると、日本犬といわれる犬たちは、中国、朝鮮、北東アジアなどから日本列島に渡ってきたと考えられています。では性格的な面
はどうでしょうか。犬の性格には、警戒心、服従性などのカテゴリーがありますが、それらの遺伝子上にも違いが出ていたそうです。たとえば服従性に大きな違いのある柴犬とゴールデンレトリーバーの性格遺伝子を比べると、服従性の強いレトリーバーの方が、遺伝子のある部位
が柴犬より長いという結果が出ています。もちろん、飼い方や人との関係など環境的な因子もそれぞれの犬の性格形成に影響をあたえていると思われます。たとえば、繁殖方法やしつけ、訓練など、人と犬との関わり方は欧米のほうが歴史的にずっと緊密なのに対し、日本犬は、番犬や狩猟犬としての役目を求められることはあっても、その飼育や環境に対して人による影響は少なかったといえます。しかし、犬種に関わらず、現代社会では人と犬の距離が近づき、その分、日本犬の飼育がよりむずかしく感じられるのでしょうね。 |
| ネコは、どうして 「かくれんぼ」が好きなのでしょうか。 (京都市左京区 竹田保子)
物陰に身をひそめて、わたしたちが通
りかかるとパッと足に飛びかかり、また、さっと物陰にかくれるのは、ネコの大好きな遊びのひとつです。これは、野生時代以来、草木や岩陰などに身をひそめて、獲物となる小動物が通
りかかるのを待ち、パッと飛びかかって狩りをしてきたネコたちの狩猟パターンが「遊び」のパターンに転化したと考えられます。ふとんを敷くとき、毛布やシーツの下にかくれ、手足に飛びついてきたりして、大騒ぎすることもよくありますね。もっとも、新しい箱やバッグなどを見つけると、何のためらいもなく、すぐ中に入って点検するネコは、単に好奇心が強いだけでなく、室内での安全な生活にすっかりなれて、警戒心の強い「野生」の感覚がうすれている、いわゆる「怖いもの知らず」と考えられます。なお、ネコの好奇心の強さは、父ネコゆずりとわかっていますから、遺伝的な差も大きいかもしれません。親子二代、三代にわたって観察してみるのもおもしろいのではないでしょうか。
|
| 尾形庭子(おがた にわこ)さん 獣医師/「どうぶつ行動クリニック・FAU(ファウ)」主宰 |
| Top of page ▲ |
| << [前の記事] | [戻る] |